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ほねなしマンガーサンゴ編ー

=解説=

 みなさんはサンゴにどんなイメージを持っていますか?あたたかいキレイな海にいる植物?そもそも生き物なの?実はどんなものなのかよく分かっていないという人は多いのではないでしょうか。

マンガで紹介したように、サンゴは生き物です。それもガッツリ肉食の動物です。イソギンチャクのような形をしたひとつひとつのポリプ(個虫)は触手で小さなプランクトンなどを捕まえて食べます。

また、サンゴの骨格は石灰(炭酸カルシウム)でできています。身近なところだと、チョークや校庭に白いラインを引く粉に石灰が使われています(ホタテの貝がらが原料になることが多いです)。


サンゴの死後に残る炭酸カルシウムの骨格。石のように硬いよ!

 生き物が死んだ後に残した石灰の殻が数千年という長い年月をかけて、つみかさなってできる地形をサンゴ礁といいます。代表的なのはサンゴですが、他にも貝やウニ、石灰藻などもサンゴ礁をつくる生き物です。

オーストラリアの有名なグレートバリアリーフというサンゴ礁は、宇宙からでも見える生物がつくった巨大な構造物です。生き物ってすごいですね!

逆にサンゴの中でも硬い骨格を持たないものもいます。そのため、サンゴ礁をつくるサンゴを造礁サンゴと区別して呼ぶことがあります。

造礁サンゴいろいろ

 サンゴは暖かくて浅い海だけ!と思っている人も多いかもしれません。実際、サンゴが多く見られるのは和歌山県より南の海です。さらに、サンゴ礁となると長崎県の壱岐島より南の海でしか見られません。

でも、寒いところに暮らすサンゴもいます。その代表的なものがムツサンゴです。ムツの陸奥は青森県のこと。北海道〜伊豆半島、日本海側でも見られる「北国のサンゴ」です。ムツサンゴは茨城県でも2008年に生息が確認されました。身近なところにもサンゴがいると思うとうれしくなりますね!

非造礁のムツサンゴ(大洗水族館にて)

 また、深海にもサンゴはいます。宝石サンゴと呼ばれるアクセサリーなどになる赤いサンゴは深海のサンゴです。多くのサンゴはマンガで紹介したようなサンゴマンションをつくる群体生物なのですが、深海には単体サンゴという1人で暮らす変わったサンゴなんかもいます。

単体サンゴのセンスガイのなかま。ポリプが一つしかありません!右は骨格。

 このほかにも、ここでは紹介できないくらいの色々なサンゴがいます。でも、共通するのはポリプです。水族館や南の海などでサンゴを間近で観察できる機会があったら、ぜひポリプを探してみてくださいね!

次回ほねなしマンガーサンゴ編②ーへつづく。

ポリプを探してみよう!

ポリプも大きかったり、細長かったり、いろいろなバリエーションがあるよ


この記事は、地球レーベルが毎月発行している地球らいぶ12月号の掲載記事を一部改正したものです。

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