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【突撃!ナレトーーク】第1回 公文のぞみさん(後半)

ナレーター界を盛り上げるべく始動したメディアプロジェクト『HITOCOE』
ナレーターのさかし(坂下純美)あこ(甘利亜矢子)が、ナレーターの皆さんのライフスタイルや人生観、それぞれの働き方を紹介しています!

前回に引き続き、ナレーター・公文のぞみさんへのインタビューをお楽しみください!

公文のぞみさんのツイッターアカウントはこちら

前半の記事はこちら↓

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初めての宅録の仕事、全集中で一発録り!

あこ:初めての宅録ナレーションの仕事でのエピソードは、何か覚えていますか?

公文:宅録の最初の仕事は、編集の仕方を知らなくて7分ぐらいの原稿を間違えずに読みました(笑)

さかし:編集知らないから!?

公文:すごい集中しました。たぶん今はもうできないんだけど、そういうものなのかなぁって思って。
ノイズがどうこうという次元じゃない。ただ録音しただけのものを納品しました。絶対見せられないけどネット上に残ってると思います。
声が出てないどころじゃなくて、もうね、裏声みたいになってる。
ミックスボイスっていうか何ていうのかな。普段から声出てない人が無理矢理しゃべりました、みたいな。高いんです、声が妙に(笑)

さかし:出そうとして必死だから!

公文:うわずってる!それくらいしか覚えてないけど。
今始めた人は、絶対そんなことなさそう。だって編集がどうのこうのとか、RX(iZotope社製のノイズリペアソフト)買ってるとかすごくないですか?

さかし:情報が得やすくなっていますからね。

公文:そうそう。私は最初、吸音もしていませんでした。リビングで適当にしゃべって、聴き返すとボォンボォンボォンと反響していた。
私はそんな感じだったのに、Twitterとか見ていると皆さん最初からかなり投資している。知識もあって、ソフトも買ってるし防音とかしてるし…。
でもここまでしないとお仕事取れない時代なんだな、とも思います
私の時は、しゃべっていたらいいかなっていう感じだったけれど、コロナ後は激戦区だろうから「ちゃんとしたマイク使ってます!」とか言わないと取れないのかなぁとか。
でもちょっと心配にもなるんですよね。かなり投資しているけど、数百円のお仕事を受けたりしている。でもAdobe Auditionとか月額高いよね、とか。

さかし:ソフトだけでも月2、3千円しますよね。

公文:だから、大丈夫かな?って思います。私は1万5千円ぐらいから始めて、稼いだ中から次のマイク買う、というとても安全な感じで進めていったので、投資した感覚もありません。
でも今の人は、先に投資していかないといけないのかな。だけどもし途中で飽きちゃったり、ちょっとうまく稼げなかったとき大丈夫かな、と。
余計なお世話かもしれないけど、安いマイクからで、ちょっとずつでいいんじゃない?と思っちゃう。
違うんですかね、2年前と環境が。

さかし:どっち派もいるんじゃないですかね。「安くから少しずつ始めていきましょう」って言ってくれる人もいれば、「まずは投資じゃー!」みたいな人も。

公文:ワークショップとかでもお金かかりますもんね。
私は声の学校とかにも通いまくっていました。習ったりすることに長いこと投資してきた。結局一緒か!回収できなきゃね。

さかし:習い事は多少回収できなくても、生け花を習うのと同じですよね。
生け花習うかナレーション習いに行くかみたいな。
そこは回収できなくても、スキルアップできたりとか自分の満足度が上がればいいのかなとは思う。
でも機材になってくると、だいたいちゃんとしようと思ったらいきなり何万円だし、これで回収あんまり見込めない状態でやっちゃうと…。
どこらへんからスタートするのが今の自分にちょうどいいのかを、ちゃんと探ったほうがいいのかな。

公文:情報が溢れすぎていて、必要以上にやんなきゃって思っている人も多いのかも
別にインターフェース無くてもいいんだよって思います。USBマイクでもいいものがあるから、そこから始めればいいと思うよって。
まあまあ仕事の目途がついて、続けていけるようになるまでは…っていう思いがちょっとあります。
ある程度の音質レベルは必要なんだろうけど、それがどれくらいなのかが分からないのかもしれません。
でもさっきも言ったけど、YouTuberの動画に説明文を入れてほしいみたいな募集がたくさん打たれていて、とても安い案件だけど仕事取りやすかったから私は最初そういうのやってました
そういったものだとさほど高い音質レベルを求められなさそう。
6分間読んで数百円だったと思います。でも私6分しかかけてませんからね、編集無しなので(笑)
趣味的な意味合いが多い人は、最初から投資しちゃうのかもしれない。
それならそれで別にいいですもんね。自分が楽しいことのために投資しているだけだから。「自分が弾きたい楽器を買う」みたいな感じ。
そう考えると、人それぞれだなぁと。
私自身は半分趣味もあります。ちょっとオタクだから(笑)

育児と仕事の両立…今は安定して働けるように

公文:うちの子たちは二人ともちっちゃくて、見た目は幼児。でも小学3年生と5年生だから、小さい子を育てているのと違って安定しています。
3、4歳ぐらいまではすごく大変じゃないですか?突然熱出すし。
だから乳幼児をかかえてお仕事されている方に比べたら、今は全然楽です
普段は学校に行っているから安心して預けられる。
あと福祉関係の制度で「放課後等デイサービス」というのがあって、学校に行ったあと遊ぶ場所を提供してくれるんです。
毎日ではないけど、そこに行ける日は5時くらいまで遊んでくるので、今日も5時まで私はフリータイムです。
だから仕事とか、全然「両立しなきゃ」ってほどじゃない
30分空いたから収録、とか、スキマ時間にやっていらっしゃる方がたくさんいるけれど、私はそんなことできないんです。
午前中ずっと声出ししてから午後に収録をする私は、そんなスキマ時間にやっている人、尊敬する。
あと夜中にやっている人もいますよね。私は、夜中は口が回らない(笑)
朝は声が出ないし、夜は口が回らない。夕方5時までくらいしかできないんです。

さかし:子どもたちが小学校に上がるまでは大変でしたか?

公文:大変でした。保育園などに預けられず療育施設に通っていましたが、親同伴なので自由時間はゼロです。
だからその時は、宅録しようなんて思わなかった
二人目の子のほうが、今は軽いけどその当時は超重度だったので、上の子ほぼ放置して、夫の両親にこっちまで出てきてもらっていたくらい必死でした。

さかし:家に子どもがいるのはやっぱり難しいですよね。

公文:難しい。子どもは泣くしわめくし、声出すし暴れるでしょ?
小さいお子さんがいるナレーターはどの隙で収録しているんだろう。幼稚園児とか難しくないですか?ドッタンバッタンするから。

さかし:「静かにしててね」って言ったら、静かに来ますからね。そーっと「ママ?(小声)」って。かわいいけど、違うのよって(笑)
それに子どもがいる時に仕事モードになっちゃうのは、自分はちょっとあんまりだなって思うから、私は子どもがいない時間に仕事をしています。

篠原さなえさんチルドレンの私たち、雑談もスキルアップに…?

さかし:スキルアップのためにやっていることはありますか?

公文:今も篠原さなえさん(※前半記事参照)に教わっています。
元々滑舌を学びたかったんですけど、ちゃんと教えてくれる人が今までいなくて、誰に聞いてもちょっと腑に落ちなくて。
納得できる人をずっと探していて出会ったんです、さなえさんに。
でも、レッスンで有益な雑談をずっと話しているうちに、時間がきて終わっちゃうんですよね(笑)

あこ:私もさなえさんの生徒なんですけど、有益な雑談で人生が変わりました(笑)
雑談のなかでの人生指導もまた、さなえさんのレッスンの醍醐味ですよね!

さかし:有益な雑談…私もさなえさんに教わっていたので語りたいことがありますが、話し出すと長くなりそうなのでまた別で語り合いましょう(笑)
公文さん、今日はインタビューを受けてくださり、本当にありがとうございました!公文さんの益々のご活躍をお祈りいたします!!

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「宅録ナレーションで生きていく!」
固い決意と、熱く燃える心の内を語ってくださった公文のぞみさん。

私たちも公文さんの熱い思いに刺激を受けて、心に熱いものがこみあげてくるのを感じました。
これからもナレーターの皆様のライフスタイルや人生観、働き方を紹介していきますので、来月のインタビューもお楽しみに!

さかし(坂下純美)と、あこ(甘利亜矢子)でした!

公文のぞみさんのツイッターアカウントはこちら

坂下純美:東京在住のナレーターで一児の母。都内スタジオでの収録を主に活動。1年ほど前に宅録を開始し、Twitterで情報を集めながら日々勉強中。ツイッターアカウントはこちら

甘利亜矢子:静岡在住のナレーター。司会業を中心に伊豆半島全域を走り回る日々。只今0歳児育児の為、司会業は育休中。宅録は駆け出しで、スタートラインに立ったばかり。ツイッターアカウントはこちら


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