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珈琲のフクフクと助っ人

恥ずかしながら、私は大変なものぐさだ。だから、使い捨ての道具は、すごく便利だと感じている。しかし、ある時、お気に入りの道具を長く愛用する楽しさにも、気がついた。使い続けているうちに、どんどん馴染んでいくのがいい。いろんな経験を一緒に重ねて、家族になるような、そんな感じがする。限りある地球の資源を大切にしている気もする。そんなわけで、少しずつ愛用品家族が増えている。

ドリップポットone drip pote KUROは、私の大好きな時間をサポートしてくれる大切な家族であり、相棒だ。この相棒で珈琲を淹れると、素敵なフクフクが作れる。お湯を注ぐと、豆がフクフクと膨らんでくる。豆たちが喜んでいる感じがするのだ。豆が盛り上がると、私の気分も盛り上がる。

二杯分の珈琲を淹れるときは、この相棒の他に助っ人も加わる。助っ人の名前は、CHEMEXコーヒーメーカーだ。このコーヒーメーカー、実は繊細で手間がかかる助っ人だ。というのも、全身ガラスで出来ており、扱いに気をつかう。ガラスはお湯を注ぐと熱くなり、持つことが出来なくなる。そのため、ハンドル部分は、取り外しのできる木のパーツになっている。コーヒーメーカーのくびれ部分を、二つの弧を描いた木製パーツで挟み込み、革の紐で固定する。使うときには、この木の作業着を纏わせ、洗うときには作業着を外す。ものぐさな私には、高いハードルだ。

でも、そのハードルを越えようと思わせるほどの魅力がある。漏斗とフラスコを合わせたような独特の形。このおかげで「珈琲を淹れる」を、視覚で感じられるのだ。相棒から豆へと注がれたお湯が、フクフクを作り出す。フクフク部分から、他の豆たちにお湯が染みわたり、漏斗部分からフラスコ部分へ、珈琲となって注がれていく。ゆっくりとお湯が珈琲へと変わっていく。この一連の流れが全て見えるのだ。この「珈琲を淹れる」感じが楽しいのだ。不思議と心が穏やかになる。

このコーヒーメーカーで淹れると、珈琲の雑味がなくなるという話もある。残念ながら、私ごときの舌と知識では、雑味がなくなるかは、まだわからない。しかし、心の雑念はなくなる気がする。

瞑想がマインドフルネスに効果的というが、私の場合「珈琲を淹れる」でマインドフルネス。そんな感じかもしれない。

これからも愛用品たちとともに、私の持っている時間を、大切に過ごしていきたい。心穏やかに、楽しみながら、笑いながら。


最後まで読んでくださって、ありがとうございます。笑顔はうつると信じて、私の「えがおのもと」を書いています。私の心のポカポカが伝われば、読んでくださった方の笑顔に少しでも繋がれば、すごく嬉しいです。


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