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ファインダー越さないあなたの世界



へんな写真の撮りかたをする人だなあ、て
最初は思ったんだよね


顔の横でカメラを構えて、
ファインダーを、画面を覗かずシャッターを切る

ほら、少しずれてるじゃん、て
おかしかったのを覚えてる





違うの、いま見てる世界に少しでも近づけたいから。


そう言われることなんてわかってるよ、
とでも言いたげな

にや、とした顔で言い放った
あなたの顔も覚えてる



あなたの世界がみたい、と
何度か思ったことがある


その繊細かつ、大胆で
頑固かつ、柔軟で
愛し、愛されるあなたが見る世界。



きっと、同じ場所にいても
あなたと同じものは見えていないだろう
そう感じることも多かった


だからこそ、まだ見ぬ世界に思いを馳せられるし
たくさんの'知らない'に気づくことができる


知ることは
いろんな'知らない'に気づくことであり
自分の世界に気づくことでもある



きっとあなたにも、
あなたの世界に気づく何かがあったんだね
それが今のあなたをつくっている

それは、知りたいけれど
今のあなたを見ていられれば
それでいいとも思う




いつの日か、同じ変な撮り方をして
わたしも誰かに笑われるのかもしれない


でも、同じように、
にや、て笑いながらわたしは言うんだろうな



ーむかし、この撮り方をする人がいてね…

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