ほんのココロの通う時
数年前から週4日ほど通ってくれるご婦人。
俯いて雑誌に目を落としたまま
「アールグレイを」。
余計に話しかけてほしくない方がいる。
私に触れないで。のオーラを放つ方がいる。
それを察した時近づく努力はやめる。
色んなお客さんが来るのだ。
ちょっとでも話しを聞いて欲しい方もいれば
ひと言も話したくない方もいる。
瞬時に見極めて対応するのだ。
ここ数ヶ月
アールグレイのご婦人の表情が和らいできた。
ひと言ふた言の会話も可能。
娘さんや息子さんを連れて来る機会も増えて来た。ランチタイム焼きサンドに付くモカゼリーのクリームの有無もその日の気分で変わることを伝えてもらえた。
そんなある日
11時ごろお茶をして帰られ
12時ごろ再来店された時にっこり笑って
「ただいま‼︎」と言われた。
口数の少ないご婦人のただいまに思わず
「お帰りなさい」と
カウンターの中から叫んでいた。
バッチバチに心が通い合った日。
ただそれだけのことが嬉しくて
日記に書き留めておくそんな日。
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