なぜ、私は「書く」のか

「発したいけれど、発せない。声なき人の代わって、書くという手段で「思い」や「こと」「もの」を発信する、伝える。

先日、とある出版社のミーティングで「あなたのミッションは何ですか」という問いに思わず出た答えだ。
当日その場で出たお題だったので、考える時間はごくわずかだったにも関わらずスッと口から出ていた。自分でも驚いた。書くということを生業としている私の、確かに原点だと改めて思った。

といいつつ、小さい時から書くことを仕事にしたかったわけではない。
自分の将来を考える年頃になっても特に意識をしたことはない。

ただ、なぜか
魅力的な、モノ・コト・ヒトについては、誰かにちゃんと伝えたいという気持ちは強かった。
おいしいお店があったら、行きたいと思う。ステキな人を紹介してその人に会いたいと思う。そんな心動かす「表現」をしたいと思い続けていた。

また、情報を与えられても、どう受け止めていいかわからない人の手助けをしたいとも思っていた。これは、私の母親がニュースを見てはいつも「こんな事件がなぜ起こるのか、コトを起こす人はなぜそんな気持ちになるのか、で結局どうしたいのか、わからない(特に北朝鮮)」と言っていたことに起因するのだと思う。私なりに周辺情報を与えてみるものの、一度もピンと来た!って顔はしてなかった。
母の「なるほど」って顔を見たい。話すことで伝えるのは苦手だから、文字にして納得に導きたい。そんな思いも書く仕事にへばりついてる理由のひとつかとも、今では思う。

では、今できているのか。

できてない。

だから描き続けてるんだと、最近、なんか腑に落ちている。

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