ユリ・ゲラーって誰ですか?
先日、とあるテレビの番組を見ていたら、いまどきの若者へのアンケートで「ユリ・ゲラーを知っていますか?」的な質問があった。
なんと若者たちの大半が、ユリ・ゲラーって誰だかわからないそうだ。
考えてみりゃ、そうだろう。
ユリ・ゲラーが「超能力者」として有名になり、日本のテレビ番組(日本テレビ系)に次々と登場したのは、1970年代中盤ごろからだから、もう40年以上も前のことだ。若者たちはもちろん、下手すればその親たちだって、リアルタイムでは「ユリ・ゲラーを知らない」世代だろう。
私と同世代以上の人は、まず間違いなく知っているだろうけど、いちおう解説。
ユリ・ゲラーは1946年イスラエルのテルアビブ生まれのハンガリー系ユダヤ人。ああ、来日当時、つまりブームのさなかには30歳くらいだったんだ。あんがい若かったんだな。本名はウリ・ゲレル・フロイド。ちなみに精神分析学の祖ジークムント・フロイトは、母方の親類にあたるんだとか。
1970年代から超能力者として売り出したユリの得意技は、なんといってもスプーン曲げ。要するに、物理的な力をいっさい加えずに金属製のスプーンを曲げるというもので、当時の子どもたちは(いや大人も)せっせとこれを練習したものだ。出来やしなかったが。
のちに明らかにされたことだが、そもそもユリ・ゲラーは手品師として営業していた人物だったのだ。だから、スプーン曲げもそのバリエーションだったのだろう。
当時、「私にもスプーン曲げが出来た!」と叫ぶ人々もけっこう多かったが、そのほとんどがユリ・ゲラーほどうまくはなく、すぐにメッキが剥がれたこともあって、本家本元のユリも「偽物」と断じられてしまったが、本人は尻尾をつかまれるようなドジは踏まなかった。
そのほかにも「テレビの画面越しに念力を送って壊れた時計を動かす」とか言ったパフォーマンスをやっていたが、基本「スプーン曲げ」の一芸だけで世界を席捲したのだから、これはこれで充分に「超能力」だったのかもしれない。
というところまでが常識だが、これだけでは面白くない。ちょっと深読みしてみよう。
もしもあなたに、あらゆる物理法則を無視できるような超能力があったとしてだよ、それをスプーンを曲げるようなつまらない芸に使うだろうか? もっとほかに、使うべき場所、使いたい行動があるあろう。
そこで私はこう推理する。
ユリ・ゲラーは、自らが本物の超能力者であることを隠すために、わざと超能力芸人を演じていたのではないか?
テレビに出てスプーンを曲げる芸を見せている、その裏で、ひそかに超能力を駆使した何ごとかを行なっていたのでは?
まあ、単なる妄想ですがね。
ただ、現在69歳のユリ・ゲラー、イギリスに住んで、けっこう裕福な暮らしをしているという。スプーン曲げという超能力芸だけで、どんだけ稼げたんですかねえ?
超能力を持った新人類みたいなのが発生すると、旧人類(おれたち)に迫害されるというのは、SF小説や映画の常道。もちろんそれは作者たちの考えたフィクションなのだが、もしも実在する超能力者たちが、そうした作品に触れてきたとしたら、カミングアウトをためらうことは充分にありうるよね。
どうですか、超能力者は秘かに実在する説。
陳腐そのものだな(笑)
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