荒野の三十五人(後編)

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皆さんとっくにご存知かとは思いますが、「荒野の七人」というテレビシリーズが存在します(原題も映画と同じ)。

1998年から2000年という世紀末の時期にアメリカで放送されました。2シーズン、全28話だとか。日本ではテレビ朝日が放送し、その後衛星チャンネルなどでも放送されているんですが、調べてみると全28話のうち、日本で放送されたのは10話だけのようで、今のところソフト発売もなし。残念ながら、私も見ていません。

じつは、テレビシリーズ化の噂は前世紀末くらいに見聞きしたことはあったんですが、その時には、まさか実現するとは思っていなかったですね。だって、そうでしょう? 「荒野の七人」のコンセプトって、つまるところ以下ですべてですよ。

山賊などに襲われる村→ガンマン7人集める→対決→味方損害あるも敵殲滅→平和になった村を去る

これだけで最低10話以上のシリーズを作れると思うのは、そうとうの自信家か、テレビを知らない人だけでしょう。

それがちゃんと(なのか?)実現していたんですから、アメリカのテレビ屋さん恐るべし……と思って調べたら、上記のコンセプトを使ったのは、シリーズ開幕の前後編スペシャルの2話だけ。あとは、その町に住みついた「七人」が色々な悪と対決するというものだそうです。

なんだいそりゃ?

たしかにシリーズ最後の「荒野の七人/真昼の決闘」の冒頭ではクリスは保安官を勤めたりしてますが、結果は思わしくなかったですし、そもそも流れ者のガンマン集団だからこそ成り立つストーリーだったのに、町に定住しちゃダメじゃないですか。これじゃもう「荒野の七人」でもなんでもない、ただの西部劇ですよね。

そうは言っても肝心のシリーズを見ていないのでは、文句のつけようもありません。アメリカではソフト化されているのですが、日本でもどこかで出してくれませんかね。

まあ、いちおう「七人」は「七人」なので、そのメンバーを紹介しておきましょうか。オリジナルのリーダーであるクリスは健在で、今回はその相棒のヴィンも復活しています。

数えて4代目になるクリスには、マイケル・ビーンが扮しています。この人は知ってるぞ。「ターミネーター」「エイリアン2」「アビス」「ザ・ロック」といった、私好みの映画に出てましたから。でも、この「荒野の七人」以降、最近は、ぱっとしませんねえ。

相棒のヴィン役は、3代目のエリック・クローズ。こっちはよく知らないや。残るメンバーは以下の通り。

西部に憧れて東部の町からやって来た未熟な若者J・D(アンドリュー・カヴォヴィット)、クリスの親友で女好きのバック(デイル・ミッドキフ)、元宣教師のジョサイア(ロン・パールマン)、子供好きの賭博師エズラ(アンソニー・スターク)、黒人のナイフ使いネイサン(リック・ワーシー

まあテレビ畑の人ばかりなんですが、目を引くのはロン・パールマン。はい、「パシフィック・リム」で怪しさ全開の闇商人ハンニバル・チャウを演じたあの人ですね。彼がレギュラーなのか、やっぱり見てみたいぞ。

というわけで5代にわたる「七人」計35人(ユル・ブリンナーがかぶってるのでホントは34人)をざざっと紹介してみました。

で、なんでこんなことをしたかというと、「荒野の七人」のリメイクが進行中だというニュースが入っているからです。それによると、ニック・ピゾラットとジョン・リー・ハンコック脚本、アントワン・フークア監督、出演者にはデンゼル・ワシントン、クリス・プラット、ヘイリー・ベネット、イーサン・ホークといった名前があがっています。まだ撮影にも入っていないようですが、いつ公開なんでしょうね?

最初にこのニュースを聞いた時には、あの名作をなぜリメイクする必要があるんだよと義憤(?)にかられましたが、今は考えが変わりました。

すでにこんだけ、しかも上出来とは言い切れない続編がある以上、このうえもう1本くらい増えたって、どうってことないや(笑)ここは頑張って、せめて「続・荒野の七人」を上回るくらいの映画は作ってくださいね。

それによく考えてみたら、そもそも「荒野の七人」自体が「七人の侍」のリメイクだったんだもんね。

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