スポーツのない日々
正直言って、もうウンザリだ。
新型コロナウィルスとかが跋扈し、数々のイベントが中止されているのだが、そんな中に当然のように数多くのスポーツイベントが含まれている。
Jリーグは、ルヴァンカップ1試合とリーグ戦1試合を終えただけで中断。
プロ野球はオープン戦を無観客で行なったが、けっきょくは開幕を延期(開幕時期は未定)
Bリーグやラグビーのトップリーグはリーグ戦の続行を断念して打ち切り。
そのほか、プロゴルフや女子サッカーのなでしこリーグなども全部中止。
大相撲は春場所をなんとか無観客で開催したが、その後の春巡業は中止・延期となり、次の夏場所も開催を2週間延期。それすらも開催できるかどうかが不透明。
プロレスも、最大メジャーの新日本プロレスがいちはやく大会の中止に舵を切り、ニュージャパンカップトーナメントも中止。DDTやノア、女子のスターダムは無観客試合を開催して中継のみ。なんとか開催を強行している団体もあるが、それも緊急事態宣言が出れば厳しくなるだろう。そして全日本プロレスの伝統のリーグ戦、チャンピオンカーニバルまでが開催中止。
高校野球のセンバツ大会の中止はインパクトあったが、それに続いてとうとう東京オリンピック、パラリンピックの開催までが来年に延期されてしまった。
ハッと気づけば、もう1カ月ほども、ほとんどスポーツイベントや中継を見ていない。しかも、これがいつまで続くのかさっぱり見通せない。
こんなことは前代未聞だ。
思い返せば、たとえば阪神大震災や東日本大震災の際も、スポーツ興行は(いくらかの中止はあっても)基本的には続行されてきた。
そしてそれを見ることで、われわれはともすれば暗くなりがちな気分を晴らし、一時は憂さを忘れて熱狂することができたものだ。
日常のストレスを忘れ、明日への活力をもらう。
これこそがスポーツの最大の効能だし、存在意義。
それが根こそぎにされているのだ。
そして恐ろしいのは、この災厄をスポーツ界が乗り切れるという保証も確信もまったく持てないことだ。
この中止の季節のあいだ、とくにプロスポーツのほとんどは、まったくの無収入あるいは大幅な収入減になってしまうのだ。
このままだと(それぞれで事情は違うだろうが)このウイルス禍が過ぎ去ったときには、持ちこたえられずに潰れている団体やチーム、いやひょっとするとリーグや組織そのものが消えてしまうスポーツもあるかもしれない。
いや、いくらIOCや日本政府が来夏にはとリキもうとも、オリンピックですらすんなり開催できるとは限らないのだ。
カンベンしてくれ、そんなことになったら、かなわんよ。
もちろん、これはスポーツに限ったことではない。
映画も、演劇も、音楽も、およそすべての「文化」は、いま等しくその危機に直面しているのだ。
さあ、どうする?
こういうときに、国がアテにならないことは容易に想像がつく。自粛を要請するしか能がないように見えるからね、いまのところは。
いまから1カ月、2カ月後、半年後、1年後……我々はつい先日までと同じように、スポーツを楽しむことができるのだろうか?
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