007記念週間 ジェイムズ・ボンドと私

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初めて007シリーズを見たのは、中学生の頃だった。

シリーズのテレビ初放送だった「ゴールドフィンガー」を見たのだ。淀川長春さんの解説がついた日曜洋画劇場だった。それまでも名前は聞いたことがあったし、007がスパイだということくらいは知っていたが、初めて見た007は強烈だった。映画の冒頭でボンドが潜水スーツを脱ぐと、下に白いタキシードを着ている、あのシーンだけで、完全に魅了された。

すぐに、原作の『ゴールドフィンガー』を買ってきて読んだ。まだ文庫はなくて、ハヤカワのポケミスだったっけ。高かったなあ。その後どんどん原作を読み進め、すぐに全作品を読みつくした。

その年の夏に「サンダーボール作戦」のリバイバル上映を見たのが、映画館で見た初ボンド。

そしてその年末に見た「黄金銃を持つ男」が、新作を封切りで見た最初の作品だった。なので、どんなに出来が悪くても悪評でもシリーズ史上最低と言われても、私には忘れがたい作品だ。その後、名画座とテレビで次々と追いかけ、「私を愛したスパイ」が公開されるころには、そこまでの作品をほぼ全部見終えていた。

大学生のころには、バイトをして、初めてビデオデッキを買った。

そこでさっそく買ったビデオソフトは、当然ながら「ゴールドフィンガー」。まだそのころは007シリーズの国内向けソフトはなかったので、輸入品を通販で買い込んだ。字幕なしのVHSで、30,000円くらい。今ならシリーズ全作品収録のブルーレイ・ボックスが買える値段だよな。でも、自宅で、いつでも好きな時に007が見られるのは、幸せ以外の何ものでもなかった。

それから、007シリーズのコレクションを始めたのだが、ビデオソフト時代の初期、007シリーズは国内向けにはレンタルオンリーという不可解なリリースだった。なので、シリーズ前半の作品はもっぱら字幕なしの輸入版で買った。最初はVHS、すぐにLDへと移行した。それを見ていて英語力が上がった、なんてことはなかったが。

そのうち国内販売が解禁されると、ダブリを承知で、わざわざ国内版を買い揃えることになる。そのころはオリジナルサウンドトラック盤のLPレコードも買い集めていた。

やがて時代はDVDに移る。おかげで、ほとんどそこまでの全作を持っていたのに、またイチからDVDで揃え直す羽目になった。ちなみにそこまでの全作品を収録したDVDセットが、開封もせずにまだ家にあったりする(笑)

「スカイフォール」からは、やむを得ずブルーレイに移行した。仕方ないじゃないか。すでに旧作もいくつかブルーレイで買っているので、いずれ、さらにもうワンセット、007が家に揃うことになるのかな。

それにしても、番外作品も含めて、いつでも、どの作品でも、思い立ったら007が見られるというのは、かつての日々から考えると夢のようなことだ。いい時代になったもんだ。これからもコレクションに邁進しよう。

ということで、007記念週間は終了。おつきあい、ありがとうございました。

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