ネッシ

ネッシー記念日

今朝のグーグルは何やらおもしろげなアニメーションだったが、今日、2015年4月21日はネッシー撮影81周年だそうだ。ハンパなんですけど。

厳密にいえば、ネッシーを写したとされる有名な写真、俗に「外科医の写真」と呼ばれるものが新聞に掲載された日付が4月21日なので、撮影記念日ではないのだが、まあいいだろう。

「外科医の写真」は、すでに著作権が切れているようなので、ネットにあった写真をご紹介。これを見たことがない人は、まずいないだろうと言い切れるほど有名な写真だね。私もマガジンの表紙に使わせてもらってます。

撮影者とされるのは、ロンドンの産婦人科医ロバート・ケネス・ウィルソン。1934年の4月の早朝に、ネス湖を野鳥撮影のために訪れた際に撮ったとの触れこみで、前述したように同年4月21日付のデイリーメール紙に掲載された。ネットでは紙面そのものの写真も見かけるが、一面トップだったようだ。

それ以前にも、その後も、ネッシーと思われるものの写真は数多く撮影されているが、はっきり首長竜と推測できるフォルムがとらえられているものはあまりなく、この「外科医の写真」がスタンダードとして流通してきた。

ただ、この写真については昔から「撮影場所がネス湖かどうかわからない」「波紋が不自然」「大きさが不明」などとツッコミも多く、あまり信頼できるものではないという評判があった。

1980年代にはこの写真のオリジナルが発見され、この写真が、もっと大きな写真(背景に対岸が写りこんでいる)から一部分だけをトリミングしたものであることが明らかにされ、さらに信用を落とした。写真から大きさを推計され、小さなものであることがバレるのを避けたのではないかというのだ。オリジナルが発見されたのは掲載紙の発行元であるデイリーメール社の写真書庫からだそうなので、だとしたらインチキには新聞社も加担していたことになるだろう。

いっぽうで「ネッシーは恐竜の生き残り」というロマンに応えるインパクトがあるため、ネッシーといえばこの写真というのが通り相場になっていた。

だが、ごぞんじのように、1993年に、実際にこの写真を撮影したと称する人物(外科医とは別人)が「玩具の潜水艦を使って撮ったイタズラ写真」だったと、死の直前に告白したと報道され、完全にフェイクだったことが明らかになった……ように言われている。

しかし、ビッグフットを撮影した「パターソン・ギムリン・フィルム」も、自分が着ぐるみを使って撮影したという人物の告白記事が出たあとで、その報道がひっくり返された例もある(告白のほうが偽造だったらしい)。誰かが告白したからといって、すべてが否定されるとは限らない。告白そのものがフェイクだということもあり得るからね。

ネッシーの実在はかなり怪しくなっているのは間違いないが、今のところ決定的な否定材料もないわけで、ギリギリでUMAとしての存在感は保っているといったところか。

ところで、この写真が「外科医の写真」と呼ばれるのは、写真が掲載されたデイリーメール紙の見出しにそうあったからだが、前記したようにロバート・ケネス・ウィルソンは産科医だった。なぜ専門分野が変わったんだ、ドクター・ウィルソン(笑)このころのイギリスでは、産科医よりも外科医のほうがステータスが高かったのかねえ。

なので、「外科医の写真」という名称だけは、間違いなくフェイクである

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