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東海大相撲高校

甲子園への地方大会、高校野球神奈川大会が終了しました。栄えある神奈川県代表は、2年連続で東海大相模高校が射止めました。おめでとう。甲子園での健闘を祈ります。

で、思い出されるのが、東海大相撲高校。 わかりますかね、この微妙な違い(笑)

はい、これは1980年代に「少年マガジン」に連載された人気マンガ「バツ&テリー」に登場した学校です。ネーミングはオヤジギャグっぽいね。そういえば、子供のころに自動車のナンバープレートの「相模」ナンバーを、「すもうなんばー」と呼んでいた子供がいたっけ(私だ)

大島やすいちの「バツ&テリー」は、当時流行っていた「暴走族マンガ」と「野球マンガ」を合体させた、なかなかに痛快な作品。剛球ピッチャーの抜刀軍(バツ)と、相棒でキャッチャーでスラッガーの一文字輝(テリー)のコンビが、地元横浜の暴走族と抗争しながら野球部で甲子園を目指すという、ありえない設定。

というわけで、壮絶な喧嘩パートと熱血な高校野球パートが交錯するこのマンガ。二人の地元が横浜なので、高校野球パートは神奈川大会が舞台。1年目は梅沢・老監督率いる桐陽学園、強打者・度加山弁太郎を擁する常勝・明群学園、さわやかのびのび野球の二浦投手がいる宇和井高校、県内きってのガラの悪さでなる不良軍団・舞蔦工業、そしてリトル時代からのライバル・鰍沢がいる湘海大白砂高校と闘い、そして2年目の初戦でぶつかるのが、この東海大相撲高校野球部なのです。

見ればおわかりのとおり、1年目の対戦相手はいずれもモデルらしきものが透けて見えるチームやキャラばかりなのですが、ここで初めて、非常にオリジナリティのある敵キャラが登場しました。

学校の教育方針が、相撲を通して教育するとかで、全員力士っぽいこの野球チーム。平均体重100キロ超。試合前にはベンチ前で四股を踏み、テッポウをかますなど相撲道全開。試合になっても、パワーとタフさで完全にバツとテリーを圧倒します。デッドボールが当たってもビクともせず、出会い頭を力だけでスタンドまで持っていき、クロスプレーではテリーの鉄壁ブロックをぶちかましで根こそぎ吹っ飛ばす。いや、痛快痛快。

まあ嘘くさいといえば嘘くさいんですが、野球マンガとしてギリギリのリアリティは保っている感じでした。かつての横綱・北の湖や千代の富士は短距離走ならばけっこう速かったそうだし、相撲取りのパワーは折り紙付き。持久力をさほど必要としない野球ならば、力士軍団、リアルでもけっこういけるんじゃないか……なんて妄想したもんです。

もちろん最後にはバツ&テリーに逆転負けを食らうわけですが、存分に敵キャラとしての存在感を見せていた「東海大相撲高校」。現実の高校野球は、高野連がうるさいせいで、どうしても画一的になりがち。イガクリ頭で送りバントのチームばかりなのが今一つ面白くないので、こうした個性的なチームが出てくることを期待……まあ無理か(笑)

野球マンガとしても、暴走族喧嘩マンガとしてもけっこう面白かった「バツ&テリー」(出てくる女の子も可愛かった)、いまは電子書籍版が出ているので、一読をおススメしときましょう(私はコミックス全巻を今でも持っている……はず)

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  熱血マンガ敵役列伝・目次

  スポーツ雑記帳 目次

【2019/7/30】 この記事を最初に書いたのが2015年7月。この後、神奈川代表・東海大相模高校は甲子園大会で見事に全国制覇を成し遂げました。それから4年の歳月が流れ、2019年の今回、東海大相模高校はそれ以来の県代表の座を射止めたのです。甲子園でも頑張ってください!(前回も今回も、同校の活躍のたびに、この記事のアクセスが増えるんですよね・笑)
【2021/4/1】 今年のセンバツで東海大相模が優勝しました。大相撲高校じゃないですよ(笑) おめでとうございます。2回戦だったかで、高校相撲の名門の鳥取城北と対戦した際、鳥取城北の応援席に相撲部の部員が陣取っていたのが、なんか味わい深かったです。大相撲高校が相手だと面白かったのになぁ。彼らの中から将来の関取が誕生するかもでしれませんね。

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