スポケーンぶらり(2)小さな町の滝と公園
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アメリカの地方都市、スポケーンの名物といえば、なんといっても「滝」。なにしろかつては町の名前そのものも「スポケーン・フォールズ」だったとかいうくらいです。町の名前の由来にもなっているその滝は、町の中心を堂々と流れるスポケーン河にあるんだとか。
なので、さっそく見物に。所用時間、ホテルから歩いて約20分。ダウンタウンのちょうど反対側でした。
え、これ?
日本の名瀑にくらべたら、落差も風情も、まったく物足りない感じですねえ。日本だったら「滝」じゃなくて「早瀬」くらいかも。
市街地の真ん中にあるので、まぁ東京の等々力渓谷くらいのイメージでいいんじゃないでしょうか。さすがは大陸で、水量ははるかに多いのですが。
そんなせいか、この滝が偉いのは、しっかりエネルギーを生み出して、働いていること。滝のすぐ横には電力会社の水力発電所がドンと構えておりました。
この滝の上を横切る形で設置されているのがスカイライド。ロープウェイというのもちょっとおこがましい感じの小規模なゴンドラですね。遊園地によくあるやつ程度。乗車料7ドルは、ちょっと高いぞ。
河をまたいで往復15分くらいの行程のうち、滝上空に5分ほど停止するというサービス付きなのはいいんですが、その間ほかのゴンドラは、特に何もない河岸の上空で待機。待ち時間のほうが長いよ。まあ、のんびりしたものですね。
この滝とスカイライドがあるのはリバーフロントパークという、市の中心を占める公園のなかです。広々とした緑豊かな公園で、市民や市犬の憩いの場になっています。ちなみに私がいちばん食いついたのはコレ。
そう、この町はカナダにも近いので、こんなものがあるんです。去年大英博物館で見たトーテムポールほどではないですが、こんな所で出会えるとはと、なかなか感動的な気分になりました。私だけですが。
このリバーフロントパーク、じつは1974年の万国博覧会の会場跡地です。そういえば、1970年の大阪万博のときに、次はスポケーンだと聞いたような気がします。大阪万博ですべてのパビリオンを見たのが今でも自慢な「万博小僧」の私が、またまた感慨にひたったのは言うまでもないでしょう。
公園に建っているこの時計塔も、もともとは大陸横断鉄道の駅にあったものを万博の際に移設し、シンボルタワーにしたのだとか。そうか、これがスポケーン万博の「太陽の塔」だったんだな。
何もない田舎だと思ってたスポケーンで、万博の記憶がよみがえるとは思いませんでした。馬鹿にしてスマンかった、スポケーン。
そういえば、このスポケーン市、私が大阪万博のころに住んでいた兵庫県西宮市と姉妹都市なんですね。やはり、何かの縁があったんですかね、この町とは。
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