不調に対してひとつ、気付いたことについて

自分のための文章をここに書いておく。

わたしは、昨年あたりから自分の製作活動に不安を持っていた。
古墳作家が増える中で、個性も才能もない自分が埋もれずに活動を続けていくにはどうすればいいのか。

ひたすら古墳を愛でる会社の活動を始めてから4年。
幸い、わたしと同じ古墳ファンから考古学の専門家の方までたくさんの方にグッズを手にしてもらう機会があり、同時に感想ももらってきた。
そんな中で、興味を持った遺物を自分なりの知識をもとにつくるという方法にも不安を感じるようになっていた。

昨年はそんな自分の迷いを吹き飛ばすためか、ただひたすら製作していたように思う。
古墳にコーフン協会や縄文ドキドキ会、大洗町での埋蔵文化財企画展での委託販売、岩戸山歴史文化交流館でのワークショップなどイベントにも積極的に参加した。
また、中津市歴史博物館では遺物と一緒に自分のグッズを並べるという異例の個展を開催させてもらった。

そしてそのあと…燃え尽き症候群だったのだろうか。完全に無気力になり、思うように製作が出来なくなった。
涙が止まらなくて「消えていなくなりたい」と思う日々が続いた。10年以上革職人を続けていて、ここまで酷くなったことは初めてだった。

原因は何だ、早く楽になりたい。
毎日毎日考える中で、製作活動を続けていくうちに「文化財のために、自分の活動が何かに繋がれば…。」という思いが芽生え、それがいつの間にか自分を苦しめていたことに気付いた。
もちろん、自分がしてきたことが文化財の明るい未来に繋がるならば、それは素晴らしいことだ。しかしわたしの製作活動がもしそうなれるのであれば、それは結果なのであって、目的ではなくていい。
一人で勝手に気負い過ぎていたのだ。

ただ、古墳を好きでいること。それをたくさんの人と共有すること。その共有の方法として、わたしには革製品があること。好きなようにつくり続けること。
それで十分だ。

こんなことは自分の心の中で区切りをつければ良いことだが、わざわざ公開したのは、これまでに散々SNSで弱音を吐いてきたからだ。
その度に温かい言葉をかけてくれる方がいて、しかしわたしは自分のことだけに精一杯で、ひとつひとつにまだ返信が出来ていない。

少し気持ちが楽になった今、過去の自分の弱音が並んでいるのは恥ずかしいし、いっそのことSNSの投稿すべてを削除しようかとも思ったが、それも自己満足でしかないのでそのままにしておく。

皆様の優しさに対して、長い間きちんとお返しが出来ておらず、本当にごめんなさい。
いつもいつも、ありがとうございます。

皆様のおかげでわたしは楽しく活動してきました。これからもそうです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

自分が抱えていた不安に対する答えがはっきり出たわけではないけど、これからまたいろいろと試しながら自分が活動を続けやすい形を探していこう、と前向きな気持ちになれたので。今は、そんな感じ。

(文中、敬称略)

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