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蝶獣 ザガロ (下妻市)

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蝶獣チョウジュウ ザガロ
身長:成虫60メートル(翼長185メートル)、
幼虫70メートル
体重:成虫1万5000トン、幼虫2万トン
生息地:茨城県下妻市 小貝川ふれあい公園
必殺技:超音速フライングラリアット、国蝶の舞
弱点:光る物に寄っていってしまう
登場話:特別編「国蝶の夢」

日本の国蝶オオムラサキはその可憐な姿とは裏腹に、自分よりもはるかに大きなカブトムシやスズメバチにも臆することなく立ち向かっていく、勇ましい蝶だと言われている。彼女は可憐さと勇敢さを持った、まさにオオムラサキのような女性だったーー。

下妻市内のとある病院で、一人の老人が病床に伏せっていた。亡き妻との思い出が詰まったオオムラサキの生息地を守るため尽力してきた彼は、不治の病に冒され、今まさに命尽きようとしていた。そんな彼の病室に、何処からか一匹のオオムラサキがひらひらと入り込んでくる。それはオオムラサキそっくりの羽根を持った二人組の妖精の姿となって老人に語りかけてきた。
「あなたは人生をかけて、私たちの住処を守ってくれました。何か望みはありますか?」
「…これが夢でも幻でもいい。妻と思い出の場所に行きたい」
気がつくと、老人はオオムラサキの森の中にいた。目の前には優しく微笑む最愛の妻、周りには二人を祝福するように飛び回るオオムラサキたち…
「あなた、あの時わたしになんて言ったか覚えてる?」
「覚えてるさ。『君はオオムラサキのような人だね』って言ったんだ」

その日、小貝川ふれあい公園に巨大なオオムラサキの幼虫が出現、ネイチャーセンターの大きなオオムラサキ型の建物によじ登ってサナギとなり、やがて羽化して巨大なオオムラサキとなると、大空へ飛び立っていった。目撃した人々は巨大オオムラサキの背中に、幸せそうに微笑む老夫婦の姿を見たという。やがて巨大オオムラサキは、オオムラサキの生息地を見て回るように飛び回ったあと、無数のオオムラサキの群れとなって空に消えていった。それは夢か幻か、それとも老夫婦の変わらぬ愛が起こした奇跡か…。老人は夢の中で夢から醒め、妻と共に旅立っていった。


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