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221011 北海道一周旅行記⑨(網走→知床)


 昨日は横浜の赤レンガ倉庫でやっているオクトーバーフェストなるイベントを冷やかしに行ってきました。もちろん本気でビールを飲んだりソーセージを食べようと思って行ったわけではなくて、横浜駅まで行く用事があったのでついでに行ったというだけです。予想以上に酔っ払いというのはいなくて、みんな談笑しているだけでした。ビールだけでそんなに酔っぱらうことはないのでそれはそうだと思うのですが、トイレは長蛇の列でしたね。寒い中でビールを飲んでいるんだから当たり前なのですが、男女でトイレの列の長さが同じというなかなか珍しい現象が発生していました。会場を歩いていたら「お客さん!このソーセージはね、ドイツにもないんですよ」とか言っているオジサンがいましたが、ふつうに考えてそれはただのソーセージです。ざっと会場を見てみた感じだとドイツで食べる方が安いような気がします。あの物価の高いドイツと比べても高いというのは尋常ではないというか、函館朝市のような感じですね(なおこの話が分からない人は北海道一周旅行記の最初の方を読んでください)。このあたりの記事を読んだらいいと思います。

問題のキャンプ場

 さて、旅行記に戻ります。確か網走監獄に入り損ねて網走刑務所に行ったところまで記録したはずです。もしこの記事を読んでいる人の中に同じ行動を取った人がいたらこそっとコメントでも残しておいてください。ちなみに知床では遊覧船に乗るのではなくちょっと前に世間を騒がせた知床遊覧船の本社跡地を訪問してきましたが、こっちは同じことをやっていた人を二人知っています。
 今日の宿泊地は知床斜里の近くにあるキャンプ場です。電話番号を入れてそれ通りに行ってみたらなぜか消防署に着きましたが、日産のナビはたまに変な挙動を示しますね。「おい、ここ入っていいのか?」みたいなところを入っていくとキャンプ場に到着しました。入口に車を止めて歩いていきましたが、管理棟というところまで車で突撃しても良かったようです。この日の宿泊料金はなんと驚きの5500円でした。現金で払わされたのが屈辱的ですが、どうして田舎というのはこうもキャッシュレス化が進まないのでしょうか。個人的には自販機もクレジットカード対応にしてほしいと思っています。羽田空港の一部の自販機はVISAのタッチで飲み物が買えましたが、あれを一刻も早く普及させてほしいですね。
 鍵を渡された建物に行ってみると、なんと鍵が開きません。管理棟に戻ってみると「手作りの建物だからちょっと癖があるんですよ」という一言により驚きの事実が発覚しました。まさか、建物が手作りだったとは。建築基準法とか固定資産税とかいろいろ大丈夫なのか心配ですが、この程度のログハウスなら確かに作れるような気もします。というか、間違いなくぼくでも作れますね。技術の授業の課題をクラスで最初に終わらせたぼくをなめてはいけません。

夕暮れの網走刑務所。


 車から荷物を下ろしていたらドアのあたりをキツネがうろついていました。それだけでも芸術点高めですが、なんと部屋の中に入ったらガガンボが飛んでいました。最悪ですね。しかも部屋でWi-Fiが入りません。Wi-Fiは管理棟で使えということだそうですが、今の時代にそんなのアリですかね?ネットがつながらない宿に宿としての価値を見出すことはなかなかの苦行です。PCは「なかなかの公卿です」などと意味不明なことを言っていますが放っておきましょう。あと、部屋の中にも酸っぱいような何とも言えないかほりが漂っていました。木材の処理に使う薬品の匂いだと思いますが、どうにかならないものですかね。
 パリピ(というかDQN)の人々はBBQして大騒ぎしていましたが、それに合流するのはハードルが高いというか君子危うきに近寄らずというか、ディスタンスを保つことにして管理棟でnoteの執筆をつづけることにします。「キャンプ場に来たなら自然を満喫しろ!」とか何か拗らせたような模範的観光客のお叱りの声が聞こえそうですが、文字通り一寸先は闇で、そこら辺をキツネが歩いていて虫が大量に生息しているところで「自然を満喫」というのはこちらから願い下げです。虫は好きですが、蛾とかハエとか正体不明の小さい飛翔物体とかは好きではありません。シャワーが200円かかるそうですが仕方ないので200円払ってシャワーを浴びます。午後8時までなら隣(ただし北海道の「隣」)の温泉施設が使えたらしいですがぼくはしっかり8時を過ぎてからチェックインしていますし、温泉にも興味がないのでこれでいいのです。芝温泉は大好きですが普通の温泉に興味はありません。
 シャワーも浴びて、やることがなくなったので寝ることにします。例のガガンボがどうなったのかはわかりませんでしたが、とりあえず気にしないことにしておきましょう。なお、このガガンボは翌日朝に死体となって発見されました。寿命が短いのか何なのか知りませんが、安眠を妨害しなかったことだけは評価できます。

止別駅。

おはようございます

 さて、おはようございます。部屋の中が異様に寒かったのですが、このあたりが寒いのか建物の断熱性に問題があるのかよくわかりません。さっさと着替えてチェックアウトします。朝食は前日にセイコーマートで買っておいたおにぎりです。食後には部屋に水道すらついていないので管理棟で歯磨きすることになりました。いちいち不便でしょうがないんですが、キャンプをする人というのはわざわざ好き好んでこの不便な生活を体験しに来るのでしょうか。一生分かり合える気がしません。

うーん、ただの道では?

 この後は知床へ向かいます。まずは天に続く道なるところに行ってみることにしました。数十キロにわたって直線が続いている道の端っこが観光スポットになっています。というわけで行ってみましたが、これははっきり言って「ただの真っすぐな道」以外の何物でもありませんでした。別に天に続いている感じもしません。確かに道が直線であるのは珍しいですが、それ以外に何かあるの?と言われると特にないように思いました。これ、反対側の端っこに行ったら「地獄に続く道」とかになってたりするんでしょうか。
 そのあとは知床の方へ向かって走ります。今日はカムイワッカ湯の滝まで行くので、まずはビジターセンターに行ってみることにしました。カムイワッカ湯の滝は前日、止別(やむべつ)駅で出会ったオジサンが教えてくれたものです。夏の間しか行けない、温泉が流れている滝があるというので行ってみることにします。

オシンコシンの滝。

 この止別での出会いというのもなかなか変わっていて、ぼくがたまたま駅を通りかかったので寄ってみたら後からこのオジサンが現れて話しかけてきたのです。「どの辺回ってるの?」と聞かれたので「うーん、どの辺というか全部ですね」と返したら「おお、なかなか面白いことをやってるね」ということになって話が盛り上がりました。定年退職して日本中を巡っているというこのオジサンは止別駅舎の中にあるラーメン屋を目当てに来たそうです。確かにラーメン屋はあるのですが残念ながら閉店時刻を過ぎていたのでラーメンにありつくことはできず、30分くらい情報交換をして別れました。話していると、そこを「部屋着を着て素足に革靴を履き、道路のど真ん中を歩いて車に轢かれかかっている」というどこからどう見ても徘徊しているおじいちゃんも通り過ぎましたが、オジサンと話しているうちにどこかへ行ってしまいました。声をかけてみたら『どこにお住いなんですか?』『うーん、まあそのあたりかな、よくわからないけど』『今おいくつですか?』『うーん、わからないなあ』みたいな問答になったのでほぼ間違いなく認知症だと思います。警察を呼んだ方がいいかな?と思いつつ、呼んでも数時間は来なさそうだし、肝心の本人がどこかへ行ってしまったので何も見なかったことにしておきました。

いざ、知床へ

 さて、話を今日に戻して知床の探索を進めます。ウトロの方へ走って行くと、まずはオシンコシンの滝という滝が現れました。車を止めて滝に近づいていくといきなり涼しくなるのが印象的です。この日は汗ばむくらいの陽気でしたが、滝に近づいていくと一気に空気がひんやりとして少し寒いくらいの気温になりました。こういうときに「日本旅行」とか「クラブツーリズム」とかのバッジを胸につけ、「バッグは斜め掛け!!!」と盛り上がっている属性の方々は「あら~、マイナスイオンを感じるわぁ~」などと意味不明な発言をするものと相場が決まっているものです。ぼくはこの手の人々から最も遠いところにいるというかそうであるように努めているので別にマイナスイオンを感じることはありませんが、気分が良いのは間違いありません。
 そのままウトロの方に走って行くと、観光船の看板がいっぱい出ていました。春先の事故のせいで商売が思うようにいかないようですが、各社とも営業中であるようです。値段を調べてみたら6600円などと驚くような数字が書いてあったのと、そもそも船に乗っている暇がないので今回船に乗るということはしませんが、代わりにあるところに行ってきました。知床遊覧船の本社跡です。歴史上の史跡のような言い方ですが、全く歴史はありません。ネットで見つけた写真だけを頼りに探していましたが、すぐに発見することができました。建物は完全にもぬけの殻でしたね。

知床遊覧船。

 そのあとは走っていたらたまたま見つけたビジターセンターなるところに立ち寄り、往復40分くらいで行けるところにある滝に行ってきました。この滝というのがなかなか変わっていて、崖の真ん中あたりから水が落ちているのです。地下水が流出しているのかどこかで川が伏流しているのか知りませんが、なかなか変わった眺めでした。確かフレペの滝という名前だったと思います。往復の道は今にもクマが出そう(というか実際に出るらしい)な森とトノサマバッタが大量に生息している草原で、歩いているだけでも楽しかったです。
 さて、本題のカムイワッカ湯の滝に向かいます。一般人が来るまで行ける範囲ではここが知床で一番の奥地です。PCは「お口です」などと意味不明なことを言っていますが放っておきましょう。しかし問題があって、知床ビジターセンターから数分アスファルトの道を走ると、突然道が砂利道に変わるのです。ここから滝までずっと砂利道。走っていると石がボディに当たる(なおPCによれば「医師がボディに当たる」。当たり屋の医者かな?)パチパチという音が響いてきます。レンタカーなので一瞬不安になりましたが、前日にオロロンラインで道を間違えて砂利道を爆走しても何もなかったことを思い出しそのまま進みます。しかもこの車は4WDです。どんどん行きましょう。
 道はもちろん狭くて、場所によっては対向車とのすれ違いにも難儀するほどです。しかし、こんなところに来る人というのは大体運転に慣れているので問題が起きることはありませんでした。自信がないドライバーなら砂利道が現れた時点で諦めて引き返すでしょう。砂利道を15㎞ほど走ってカムイワッカ湯の滝に到着です。駐車場は整備されているので特に問題はありませんでした。止まっている車はほぼ全部泥だらけです。こう見ると、車が走るとどこを風が通り抜けているのかよくわかります。特にリア部分はひどいことになっていました。

カムイワッカ湯の滝。左側から入れます。

 滝はどうなっているかというと、この滝は眺めるというよりは入るタイプの滝になっています。入るタイプの滝というのは意味が分からないかもしれませんが、ここの滝は歩くことができるのです。なお、強酸性の水なので皮膚が弱い人に対しては注意が呼びかけられています。滝は数段に分かれていて、上流に向かえば向かうほどお湯の温度が上がっていくそうです。今回ぼくは足を濡らすわけにはいかないのでお湯を触る程度にとどめておきましたが、熱いというほどではなくてぬるいというくらいでした。しかし、オシンコシンの滝がひんやりとしていたことを考えると大きな違いです。
 帰りもまた砂利道です。行きが砂利道だったのに帰るときにいきなりアスファルトで舗装されていたら恐ろしいので当たり前と言えば当たり前ですね。アスファルトで舗装された道に戻り、ノイズと振動が一気に小さくなった時の感動は今でもはっきりと覚えています。車自体の持つ乗り心地が良くなったような気さえしました。このNOTE e-Powerは元々乗り心地が良くて静粛性の高い車ですが、ガタガタの道を走った後ではその性能がより一層際立ちます。

知床峠の絶景①

 ここから先は知床半島を南北に貫く道路を南下し、知床峠を快走します。知床峠の最高点(?)にある展望台からは北方領土の国後島が見えました。ぼくはそれを見ながらロシアの国家を流してドライブする変わり者ですが、国家がやっていることは別として国歌自体は大変魅力的でカッコいい音楽です。ソ連時代の国歌のメロディーを引き継いだあの音楽、数ある音楽の中でも五本の指に入る名作であると勝手に思っています。共産主義国家の国歌は大体どれも名曲ですね。北朝鮮の愛国歌にせよ、日本一有名なK-POPであると言っても過言ではないコンギョにせよ、インターナショナルにせよ、名曲ぞろいです。さすが、いい曲を作らないと粛清されるリスクのある国の作曲家とでもいうべきでしょうか。

知床峠の絶景②

 知床峠からの絶景を堪能し、知床半島の南側の沿岸を走ります。道の駅があったので昼ご飯を食べることにしました。例によって目の前は国後島です。噂によると国後島だとドコモの電波が入るらしいですね。知床遊覧船の沈没事故の遺体が国後島で揚がったというニュースを見ましたが、確かにこの距離なら流れ着いても不思議はないように思います。確か標津の一番近いところで25㎞だったと思いますが、岸から見るとまさに「目の前」で、そこが日本の領土ではないというのは非常に不思議な感じがしました。
 さて、北方領土を眺めていたら文字数が5000字を超えていたのでこのあたりで一旦終わりにしておきます。次回は道の駅から先、納沙布岬を回り、大量のシカが歩き回る道を通って釧路に到着するまでの行程を記録していく予定です。

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