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中日ドラゴンズの根尾昂選手の起用法から、
「複数のキャリアを重ねる」ことを考察しました。

根尾昂(ねお あきら)選手。

彼ほど多くの野球関係者が注目し、
その起用法にやきもきし、
つい口を出したくなるような選手も
なかなかいない、のではないでしょうか?

2000年生まれ、岐阜県飛騨市の出身。
成績優秀、かつ中学生で146キロを投げるなど
「スーパー中学生」として名を馳せ、
強豪、大阪桐蔭に高校進学すると
何と高1夏からベンチ入り
(これだけでも凄いことです)。

2年春、2年夏、3年夏に全国優勝するという、
リアル「ドカベンの明訓高校」的な
「大阪桐蔭最強世代」の一人として、
全国的に知名度が高い選手でした。

そんな彼が、中日ドラゴンズに
2018年のドラフトにて入団!
以来、2019年、20年、21年、今年22年と
四年目のシーズンを迎えているわけですが…。

なかなか、起用法が一定しないんです。
なかなか、素晴らしい結果が出ない。

高校時代の輝かしい記憶を
多くの人が持っているだけに、
「根尾選手、ブレイクしてほしい!」
「根尾選手、自分ならこう起用する…」など、
とにかく色んな方が
色んな意見を持ち、それを口に出す。

ドラゴンズファンではない私ですら
ちょっと気になっているくらいですので、
プロ野球関係者の方は
もっと気になっていることでしょう。

さて、彼はどのように起用されているのか?

高校時代は、遊撃手、外野手、投手。
いずれのポジションでも輝いていました。

一~三年目、与田監督の下では、
◆一年目:主に遊撃手、秋に外野手も挑戦
◆二年目:右翼手で初先発経験、プロ初安打
◆三年目:開幕一軍、プロ初本塁打

と、順調に成長しているように見えますが、

主に打撃では安定した打率を残すことができず、
いわゆる「プロの壁」に阻まれた
格好になっていたんですね。

プロ野球の一軍の投手は、それこそ
「甲子園で大活躍した投手」
「大学リーグで抜群の成績」
「社会人野球で頭角を現した」
などのエースがごろごろいて、その中で
成功するのは何人いるか、という世界なので、
打ち続けるのは難しい、それはわかるんです。
でも、ファンは、それでも
根尾選手に打ってほしい、という三年でした。

そして2022年、四年目。
「ミスター・ドラゴンズ」こと
立浪監督が就任して、どうなったか?

本記事執筆時、まだ五月末ですが、
根尾選手、色々なポジションで起用されています。

◆外野手:肩の強さを活かしレーザービーム!
◆遊撃手:京田選手の二軍調整中にチャンス!
◆投手:中継ぎで一軍初登板、0点に抑える!

どのポジションでも、華があるんですよ。
とても、目を引くんです。

…だからこそ、凄く、難しい。
立浪監督も、チーム事情に応じて
「遊撃手に再チャレンジさせる!」
「でも外野の守備もいいので、外野で…」
「投手も経験させておこうか…?」
傍から見れば、そんな感じの起用をしています。

だからこそ、評論家やOBの方々が
つい、口を出してしまうんです。
私も、つい、こうやって書いてしまう。
そんな状況であるように思います。

さて、ここまで、根尾選手の
プロ入り後の紆余曲折を書いてきました。
ここからは、キャリアの重ね方、という
観点から、書いていきましょう。


キャリアとは、過去~現在~未来の「道」。
そう仮定しますと。

私個人の考えとしては、
根尾選手が「さまざまなポジションに挑戦」
これ自体は良いことではないか、と思います。
別に、一つの起用法に固執しなくても。

「起用が迷走している!」
そう批判されることもあるようですが、

もういっそのこと、
「なんでもできますプレイヤー」
売り出してもいいのではないでしょうか?

過去にも、そういう選手はいました。
例えば、日本ハム、広島カープ、読売ジャイアンツ、
三球団でプレイした「木村拓也」選手
(ちなみに芸能人の木村拓哉さんとは
同じ1972年の生まれです)。

37歳で病気のため惜しまれつつ亡くなりましたが、
捕手も含め、投手以外のすべてのポジションを
守れる上に、右左どちらでも打てる
スイッチヒッターという、稀有な存在。
いわゆる「ユーティリティプレイヤー」の方でした。

監督からすると、こういう存在は
誠に心強いんですよね。

野球チームは、団体戦ですから、
一人では勝てません。
ですが、全員が全員、いつも絶好調で、
成績も完璧、ということは、ありません。
好不調の波も、怪我・病気もあります。
チーム事情は、一日一日で変わるんです。
つまり、必要とされる能力、足りない部分も、
刻々と変わっていく
、ということ。

そんな時に、「どこでもいけますよ」という
選手が一人いると、とてもありがたい。
現に木村拓也選手も、巨人時代に
緊急事態で誰も捕手がいなくなった時、
捕手として出場し、見事に役割を果たしました。

…根尾選手も、その道が歩めるのではないか?

さすがに捕手はなかなかできないにせよ、
彼は木村拓也選手にもできなかった
「投手」ができます。

「二刀流なんて大谷翔平選手くらい
突き抜けてないと無理だよ…」という
声があるのは百も承知。
普段は外野手、内野手を守っていて、
ピンチには颯爽とマウンドに立ち、
火消し後、またそのポジションに帰っていく…。
そういう道も、ありじゃないでしょうか?

器用だからこそ、起用に迷う?
ならば、
色々と起用されても、器用にこなす。
それでいいんじゃないか、と
あくまで個人的に思うんです。

そしてこの先の長いキャリアを考えた時。
「根尾コーチ」「根尾監督」という
将来を夢想した時。
仮に野球界から離れたとしても。

プロで複数のポジションを経験した、というのは
物凄く貴重なことだと思います。

そんな選手、長いプロ野球の歴史でも
あまりいないのですから。

…そういう様々な姿で、決して腐らず、
真摯に活躍していく根尾選手を見せる。
それを見た子どもたちもまた夢を抱き、
自分のキャリアを考えていく、と思います。

最後にまとめます。

読者の皆様の会社や組織には、
根尾選手のような
「鳴り物入りで入ってきた」
「器用であるがゆえに起用に悩む…」
そんな人材はいませんか?

キャリアの掛け算が大事、と言われる時代。
ある一つの仕事に専念させるのも
大事ではあると思いますが、

時には他の仕事をさせて
視野を広げるように促すのも、大事では?


これまでにはない、
新しい活躍の場を、本人と一緒に
模索していくのも大事ではないでしょうか?

ネオ・キャリア。新しいキャリアの重ね方。

◆「〇〇というポジションに専念」
◆「複数のポジションを兼務」

それぞれの意見に「なるほど」と思い、
「器用貧乏」という言葉もあると
脳裏をちらつきつつも、

職人肌の多い世界であればあるほど、
たくさんの立ち位置からものを見る、
そういった経験・視野が大事かな…、
と思った次第です。

では、本記事の最後にエールを。
根尾選手、また全国のキャリアに悩む方、
各々の立ち位置で、お互い頑張りましょう!!

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