鳥ある里のコウモリ ~ある40代半ばの蹉跌~

いわゆる「中年」の人たちの経験。

2022年に40代半ば、つまり、
2000年頃に社会に出てきた人のことを
事細かに書いた記事がありました↓

それを紹介しつつ、私の経験と照らし合わせ、
ここ20年くらいを振り返り、かつ、
未来を少しだけ仰ぎ見る…。
そんな記事を書いてみます。

(ここから引用)

『今のオジサンが新社会人になった
2000年前後といえば、

Windows 98の普及とともに
家庭内にまでインターネットが普及し、
近々Windows XPが登場する頃だ。

「iモード」が大ヒットし、
おぼろげながら
モバイルインターネットの形が幕を開けた。

一方で2000年3月卒に対しては、
求人倍率がついに1倍以下となり、
就職氷河期でも特に
「超氷河期」と言われたタイミングである。

(中略)

彼らは若手時代からケータイを使いこなし、
いつでもどこでもメールで
連絡が付く
人たちだった。

社会人2年目あたりで「mixi」が登場し、
“mixi疲れ”するまで
ネットの人間関係にどっぷりハマり、

2008年ごろにようやく訪れた
スマートフォンの夜明けを
30歳で経験している。

「中堅」といわれるバリバリの
33歳で東日本大震災を経験し、
社会の再起動も経験した。

一方で経理事務や勤怠管理を
システム化して効率を上げようと
プレゼンしたら、

「いいじゃないか。ヨシ、
じゃあ今後はそれのプリントアウトを
持って毎朝報告に来てくれ」と

オジイチャン経営者に言われて
「詰む」みたいな、旧世代とITの
橋渡しをしようとして
成功したり失敗したりしている
年代でもある。

つまり、「インターネットの主な出来事」を
社会人として経験した層
が、
今の「オジサン」世代だ。』

(引用終わり)

いかがでしょう?
私はいま中年真っただ中にいますので、
この記述、まさに「どストライク」です。

社会に出た2000年頃は、
いわゆる「超氷河期」でした。
「倍率ドン、さらに倍!」(ネタが古い)で
とにかく採用数が少ない、受からない状態…。

それでも何とかギリギリ就職し、
仕事帰りには「ネット喫茶」に寄って
「ネットサーフィン」しつつ
色々な情報を探った日々。

(スマホで検索、などはできない時代です。
少ない給料、家計節約のため
自宅はネットにつないでおらず、
ネット喫茶で検索するしかなかった)

mixiには私はハマりませんでしたが、
自宅にネットを接続、
そろそろスマホも出てきた、という頃に

2011年の東日本大震災が…。

社会人10年目前後、30歳前後、
そのあたりで、震災を経験した世代なのです。

「給油できるガソリンスタンド情報」を、
皆さんがツイッターに上げる
リアルタイムの情報で見て、
高速道路内の給油所に給油しに行った…。
そんな記憶もあります。

仕事上では、
『旧世代とITの橋渡しをしようとして
成功したり失敗したり』というのを、
まさに経験してきました。

上の世代はアナログ。下の世代はデジタル。
「紙」と「データ」のはざまで、
右往左往していた
イメージが、強い。

動物でもなく、鳥でもない…。
どっちつかずの「コウモリ」のような存在…。

頑張ってパワポ資料を作って
野牛、ミノタウロスのような上司に見せたら
「模造紙に全部書いて発表して!」と言われ、
モ、モゾウシですか!?と内心
憤慨した記憶も、あります。

引用記事には、こんな記述もありました。

(ここから引用)

『SNSの勃興期に若者として
積極的に参加したため、

共感力が強く、
ネットコミュニケーションにも積極的だ。

そして自分の価値観が絶対に動かない、
ITなぞ知らぬ上の世代からは
「お前がオレに合わせろ」
社会に組み込まれ、

全然こっちに合わせてくれない
Z世代
との間で、どうすりゃいいのと
板挟みになっている。』

(引用終わり)

…うん、まさにこんな感じ。
下の世代は小さいころから
翼を持ち、大空を舞っている。鳥類。

しかし中年世代である私は、

小学生の80年代に
ファミコン・スーファミなどにはまり、
中学生~大学生の90年代に
ネット社会の黎明に巻き込まれ、

社会人になった00年代には
ユビキタスネット社会(今は死語?)の
「いつでもどこでもネットにアクセス」
の生成過程をリアルタイムで経験し↓

30歳を超えた10年代には
大震災後の「大SNS時代」、
「インフルエンサーに、俺はなる!」的な
風潮に囲まれ、

2019年に(ようやく)SNSでの
発信を始めた、ごく一般的な?
中年世代の一人、なのです。

「90年代あたりに、30年後を先読みして
IT業界に漬かっていれば
今頃、IT長者(これも死語)だったかも…」

と思わないでもないですが、

これは結果が分かってからの
後付けの遠吠え。考えても切ない。

せめてはこれまでの「失われた30年」で得た
『時代にもてあそばれたコウモリ』の
経験を活かし、

「中年~熟年への30年」を
より豊かにしていきたい。


そろそろまとめます。

記事には、コウモリ的な
中年世代の特徴が、こう書かれていました。

(ここから引用)

『上司は、2000年に
ヒイヒイ言いながら入社してきた
小僧の事情など、いちいち気に掛けない。

自分が22歳だったころから
比べものにならないレベルで
社会が成長したため、
自分の若い頃とは「全然違う」のだ。

だから、若い子に共感できる要素が
ほとんどない。とにかく早く戦力になれ、
こっちのやり方に合わせろ、で
ゴリゴリに進めてきたわけである。

そしてそのときヒイヒイ言っていた22歳が、
現在44歳のオジサンとなったわけだが、

失われた30年をがっつり経験して
ほとんど成長しない社会で生きてきた。


つまり自分の若い頃と今が、
ほとんど変わっていない。
昨今は100社にエントリーして
1社も受からないみたいな話も珍しくないが、
なんならその元祖が
今のオジサン世代だったりしたのだ。

今のオジサンは若い子の苦労や
思うことが、「そうかー、そうだよねー」と、
理解できてしまう
のである。』

(引用終わり)

なかなかに鋭い分析。

「氷河期」で凍らされ、
「ネット」の波に翻弄され、
「大震災」で立ち位置を揺らされ、
「SNS」でつながりの大事さに気づいた…。
私は、そんな世代の一人。

とはいえ、これからの20年も
凍らされ、翻弄され、揺らされ、
「鳥なき里のコウモリ」ではなく
「鳥ある里のコウモリ」として生きるしかなく、

決して優位さを誇れず、闇の中で羽ばたく、
そんな世代になる予感も、あります。

ただしコウモリには
ふつうの動物にはない「翼」と
ふつうの鳥にはない「共感力」がある

(コウモリは、哺乳類です)。

双方の良さを掛け合わせながら、
上下どちらの良さも引き出しながら、

自分なりに活躍できれば、と思います。

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