見出し画像

ここ6回ほど、「賛否両論」の視点で
歴史上の人物を取り上げる投稿を
してみました。

◆賛否両論徳川慶喜
◆賛否両論ヴィクトリア女王
◆賛否両論伊藤博文
◆賛否両論ビスマルク
◆賛否両論犬養毅
◆賛否両論ウィルソン

(よろしければこちらからぜひ↓)

日本史で言えば幕末~戦前のあたり、
世界史で言えば大英帝国~一次戦後
のあたりで活躍した、
象徴的な人を取り上げてみました。

言うまでもないことですが、
人間は自由な意志を持ち
自由な行動ができます。
複雑怪奇な生き物、です。
本能だけで生きていく生き物ではない。
もしかしたら本人ですら
無意識に、また意に添わずに
行動してきたかもしれない。

本人にとっても、
(主観的に)理路整然とした
行動を取ることもあれば、
「うわー、やっちゃったなあ」という
判断ミス的な行動を取ることもある、
それが人間だと思います。

ただ、どうしても歴史上の「偉人」、
言うなれば「歴史の教科書に載る人」の
人生につきましては、
功績の部分だけが強調されて
負の部分は覆い隠される傾向にあります。

「この英雄がこんな行動を取るはずがない」
みたいな「後世からの校正」ですね。

とてもよく分かる例を挙げましょう。

古代中国に「秦の始皇帝」という
人がいますよね(本名は違いますが)。

漫画『キングダム』(原泰久さん)
によって描かれる彼の姿は、
始皇帝になる前の姿です。
頼りになる上司(国王)にして
英明果断な英雄、かっこいいです。
映画でもイケメン俳優さんが演じました。

一方、漫画『劉邦』(高橋のぼるさん)
によって描かれる彼の姿は
始皇帝の最晩年のあたりです。
まさに醜悪そのもの、
不老長寿を追い求める危険な専制君主です
(秦帝国を倒す側の劉邦が
主人公だからではありますが)。

同じ秦の始皇帝でも、
立場や年代や解釈を変えてみれば
全くその姿は異なります。
戦乱の中国を統一した英雄?
「焚書坑儒」と言って書物を焼き
儒者を生き埋めにした恐怖の独裁者?

…彼の例は極端ではありますが、
人間は多面を持つことこそが
当たり前だ
、と言えるかもしれません。

そもそも読者の皆様、あなた自身も、
色々な「仮面」を持っていますでしょう?
時と場所に応じて、使い分けますよね?

だからこそ「賛否両論」で「多面的」に
人物を見ようとする姿勢

これこそが大事かな、と思います。
特に、偉人、英雄、と
言われる人については。

もちろんこれらの記事は、私の執筆時の
知識と主観に基づいたものです。
誤りもあるかもしれませんし、
トリミングされたものに過ぎません。

ただ、一つ言わせてもらえば、
歴史に関する文章や物語は「すべて」
トリミングされたもの、
なのではないでしょうか。

筆者により取捨選択されたもの、です。
いくら客観的だ賛否両論併記だと
うたったものであっても、
言葉の限界、知識の限界は、あります。
その切り捨てられたものを「想像しながら」
読者は読む必要があります。

漫画「キングダム」も「劉邦」も、
創作を盛り込んだ
取捨選択の末の「物語」ですが、
だからといって焚書されるものでもない。
名作には、変わりありません。
読み手の「想像力」こそが、問われます。

私の記事を読んで、人によっては
「ヒストジオいなお、ものを知らないな。
実は歴史の裏にはこうこうこういうことも
あったんだぜ、勉強不足だぜ」と
微に入り細を穿つ歴史事象を
挙げたくなる人もいるかもしれません。

それはそれで敬しますが、
私は遠ざかりたい、と思います。

なぜなら私が記事で言いたかったことは、
あくまで「色んな面から解釈できますよ」
ということであって、
「とにかく歴史を深く細かく見ればいい」
ということではない
からです。

「まず毒矢を抜け」ではありませんが、
私は歴史を実用したいのであって、
歴史オタクになりたいわけではないのです。

そのあたりの「限界に対する」想像力は、
(私だけでなく他の方の記事に対しても)
持った方がよいかなと、私は、思っています。
それを持たず、ただ議論がしたい、
知識勝負がしたいとふっかけてくる人からは、
私はそっと敬して遠ざかります。

さて「賛否両論シリーズ」の話に戻しますが。

実は、この後にも書き溜めたものが
あるにはあるのです。
まだ半分、なのです。

◆日本史:岸信介、田中角栄、小泉純一郎
◆世界史:スターリン、鄧小平、フセイン

…いずれも名を残した政治家、
善か悪かがわかりにくい
一面ではとてもとらえきれない
「賛否両論」の人物たちです。

ただ、この人たちのことの記事を
リンクトインやSNSで投稿してしまいますと、
これまでの人たちの記事以上に
「政治的な記事」として
とらえられる恐れがあります。

秦の始皇帝に比べて、
業績の研究もまだ進んではおらず、
記憶も生々しいですしね…。
政治的にうんぬん、と言われるのは
私の本意では、ありません。
よって、投稿するのは自重します。

この人たちにつきましては、
ぜひ、読者の皆様、あなた自身で
「多面的」「賛否両論」に
その業績を解釈してもらえればと思います。

ちょっとググれば、
(トリミングされた)情報が
嫌というほどいっぱい出てきます。
その解釈と文章化の方法は、このシリーズで
例として示してきたつもりです。

…ただし、もし、怖いもの見たさ?で
私の解釈を読みたいという
奇特な方がいらっしゃったら
そのうち「ヒスとジオ いなお百話」(仮題)
とでも題して、これまでの記事を
違う場所で読み物にしようと思います。
そこにしれっと載せる(かもしれない)ので
あてにせずにお待ちください。

さて、読者の皆様には、
尊敬する「英雄」はいますか?
その人のことを、多面的に、
賛否両論の視点で、解釈していますか?

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!