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人は、親を選べません。
人は、自分が生まれる家族を選べません。
人は、ふるさとを選べません。

この人の子どもとして生まれたい!
この人たちの家族として生まれたい!
ここで生まれ、ここで育ちたい!

そんな希望が出生前に通るとしたら?

この世の中の不平不満は
少しでも減るかもしれない。
だが実際、そんなことは、ありません。

「気が付くと、そこにいた」
…ふつうは、そうですよね。

自分のものごころがついて初めて、
親、家族、ふるさとが
どういうものかを
「後付けで」知っていきます。

最近『親ガチャ』という言葉が
クローズアップされています。
2021年の流行語・新語大賞候補にも
ノミネートされました。

ガチャ、とは元は
カプセルトイをランダムに買う
玩具販売機械のこと。
運試し。何が出るかは選べない。
そういうところから、
「あの人は親ガチャで運が良い/悪い」
そういう文脈などで使われます。

家族も、ふるさとも、同じ。
誰と一緒にどこで生まれ育つかは、
基本、自分自身では選べない。

…そう考えた時、全くの運ですから、
不満を持つ人も当然ながら出てきます。

「こんなところで生まれたくなかった」
「早くここから出ていきたい」
「おらこんな村、いやだ」

こうして家族やふるさとを後にして、
新たな場所で
人生を進めようとする人がいます。

…私も、今、ここにいるまでに、
相当数、動いてきました。
住居も、職場も、環境も。

人間は、本能だけの生き物ではない。

脳が発達しているために、
自分の行動は自分で決めることができます。

もし「働きアリ」として生まれたのなら、
基本、自分のアリの巣の近くで
一生、食料を探し運んで暮らすでしょうが、
人間は、人生の舞台を自分で選べるのです。

この2つが、人生の大前提。

つまり
①「親や家族、ふるさとは、選べない」
②「だが、人生の舞台は、選べる」

「○○ガチャはあるよ、だけど、
舞台は自分自身で選べるよね?」
ということです。

だからこそ、キャリアヒストリーだけでなく、
キャリアジオグラフィック、つまり
「キャリア地理」とでも言いましょうか、

どこでどう人生を過ごしてきたのか?
そこに至る判断はどうだったのか?
どうやって今、ここにいるのか?

そこにこそ人生のエッセンスが
詰まっているように私には思えるのです。

ふるさと、生まれ故郷で家族とともに
ずっと一生を過ごす人もいれば、
ふるさとを早々に旅立ち、
未開の地へと突き進む人もいます。

良い悪いではない、その人の生き様です。

学歴や社歴だけでなく、
そういった地理的な「足取り」にも、
私は惹かれるのです。

「…そんなこと言いましても、
生まれというかね、親の経済状況とか
育つ環境によって、格差はありますよね。
それってどうしようもないじゃないですか」

…確かに、そういう側面は否定しません。
どうしようもないです。

ですけど、絶対的なものでも、ないです。
○○ガチャは、ある。けれども、
それは未来永劫続くものでも、ない。

ひとつ歴史の例を挙げましょうか。
マイケル・ファラデーという人がいます。

(こちらの記事もご参考に)↓

電気の分野で大活躍した学者さんです。
「ファラデーの法則」なんてのを
理科の時間に習ったでしょうか。

この人、裕福でない家庭に生まれました。
14歳で、働きに、奉公に出されました。
本屋で半ば強制的に働かされていく中、
色んな本を読んでいき、
科学と電気について興味を持ちました。

20歳になった彼は、ある科学者の講演を
聞きに行きます。
彼は、講演を聞いて書いてまとめた
300ページのノートをその科学者に送ります。

「でもね、いま、仕事はないんだよ」
そう言われてがっかりしましたが、
そのうちにたまたまその科学者が
実験で目を負傷します。
ファラデーは、秘書として雇われました。

大科学者ファラデーの、
「はじめの一歩」です。

もし、ファラデーが
「親ガチャ、ふるさとガチャ、上司ガチャ、
どうしようもない」と思って、
何の行動もしなかったら?
ノートを送らなかったら?

…私たちは、今、こうして、
電気を活用する生活を
送れていない、かもしれません。

そろそろまとめます。

人間として生きていく以上は、
判断の連続、行動の連続。

○○ガチャは、あります。
ですがそれは、過去のことです。
「決定的」ではありますが、同時に、
自分の行動によって覆う余地があります。
「上書き」は、していけるのです。

「自分が生まれてくる家族」は
選べないけれども、

自分自身によって
「家族」や「組織」を
新たに創り出すことは、できる。

生まれでほぼ100%が規定される
働きアリの「女王アリガチャ」や
「アリの巣ガチャ」とは、
決定的に違うところです。

だからこそ私は、
その人がどう行動してきたか、
どう動いてきたのか。

そこにこそ興味があります。

さて、読者の皆様は、
どういうガチャを持っていますか?
それに対してどう思い、
どうやって動いてきましたか?

2021年11月4日の
北海道日本ハムファイターズ
監督就任会見の
「新庄ビッグボス」のように↓

自由奔放に動いていますか?

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