見出し画像

…接待宴会とかそういう話ではない。
…缶コーヒーの話でもない。

「北方ルネサンス」で活躍した画家、
ヒエロニムス・ボスが描いた
『快楽の園』という
絵についての紹介記事である。

ボスは、15世紀あたりの人。
ネーデルラント
(オランダやベルギーのあたり)で
レオナルド・ダ・ヴィンチと
(場所は異なるが)
ほぼ同じ時代に活躍した画家だ。
※北方ルネサンスとは、
イタリアではなく、ネーデルラントや
ドイツのあたりで行われた
「文化の再生(ル=ネサンス)」のこと。

…ものすごく、奇怪な絵である。

三枚のパネルに描かれた。
左側には神様とアダムとイブ。
中央には
人目を引く裸体の人物、
空想上の動物、果物、建物などの
広大な情景。
右側には地獄で拷問を受ける罪人。

普通に考えれば、
天国、この世、地獄、の
三点セットである。

しかしこの絵は長い間、
美術論議の的となってきた。

『真ん中の世界は
何を表しているのか?』

道徳が乱れた世界への警告だ、
いやいやこれは『失楽園』だ、
『七つの大罪』のうちの
色欲を示しているのだ…

色んな人が、色々な説を唱えている。
確かにこの絵は色鮮やかで、
さまざまな解釈ができる。

この絵に影響を受けて、
私がとても好きなブリューゲルや、
ひいては20世紀のダリなどの
シュールレアリスムの画家たちが
一風変わった絵画を描いた、という。

15世紀を生きたボスは、
20世紀、いや今の21世紀にまで
届くような絵を描いたのだ!

すでにボスは15世紀にして
今の世界の快楽と狂乱を
予想していたのだろうか?

…皆さんはルネサンスと聞くと、
新時代の幕開け、という
明るいイメージのみを持つかもしれない。

しかし、一面では
「ペスト(黒死病)の惨禍から
懸命に『再生』しようとする
人間の死に物狂いのあがき」
という
暗い背景もあるのだ。
ボスが生きた時代の少し前、
14世紀あたりのヨーロッパでは
ペストが大流行していた。
イギリスやフランスではなんと
人口の半分ほどが死んだ、という。

…どこか、コロナの惨禍から
懸命に『再生』しようと試みる、
現代の世界に重ならないだろうか?

スペインのマドリードに
この絵がある。
ぜひ、いつか見に行きたい。

ボスやこの絵に興味の出てきた方は、
参考書籍のリンクを貼るので、良ければぜひ↓

さあ、あなたはこれから、
どんな世界を描いていきますか?

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!