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「その言葉、言う前に相手の立ち位置で聞いてみて?」想像力の欠如が悲劇を生むって話。

今日は少し、マジメなことを書こうと思います。
「ときには、他人の立場になって推測してみて」って事です。

少し前にですね、
同業フリーランスの後輩ちゃんと話したんです。
その後輩ちゃん、ついこの間、文章で賞をもらいました。
受賞すると、わりと大きな雑誌に
作品が掲載される、という賞です。

その時の話をしていて、こちらから、
「よかったね、おめでとう」と言ったら
彼女が、ものすごい勢いで食いついてきたんです。

「そうですよね? 『おめでとう』っていうのが
 当然ですよね??
 あたし、この話を友人にしたんですよ。
 そしたら『こういう話はギャラで損をすることもあるから、気を付けたほうがいいよ』って、それだけなんです。」
「あ、そう……」

彼女はよほど、腹に据えかねていたらしく、
しゃべりはじめたら、止まらなくなりました。

「あたし、言ったら喜んでもらえると思っていたんです。
 だから一緒に行く週末旅行まで隠しておいて、
 長距離バスの中で言ったんですよ。

 なのに、聞いたら一気に黙りこくっちゃって。
 『おめでとう』なんて、全然なしで。
 
 へんでしょ? 
 友人だって、先にその作品を読んだときは『おもしろいねー』って
言ってくれたんですよ。
 そもそも文章を書くことは友人が先輩で、
 彼女はそれを仕事のひとつにしているんですよ。

 あたしはずっとイラストを描いてて、
 いまも絵が本業だと思ってて
 だから文章でいただいた賞は、嬉しいけれど、
 本命ではないんです。

 いってみたら、
 アルバイト的な感覚でやったことなのに。
 だからこそ、友人にもライバル視されないだろうから
 言ったのに……
 友情って、そんなもんかって思いました」

「あー。そうだ、ねえ??」

もう、何を言っていいのかわからなくなって、
その日は、それで終わりました。


だけどずっと、
モヤモヤするのです、今度はヒスイが(笑)

だってそれ、
あまりにも相手の感情に『配慮しない』、相手の感情を『推測しない』
行動だったんじゃないかって
そう、思ったのです。



<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡

ヒスイはこういう仕事をしてますから、
仕事を取った、取られた、
賞を取った、にがした、
なんていうことは日常茶飯事です。

ダレソレが受賞したということに
いちいち引っかかっていたら
仕事になりません(笑)。

くわえて、賞を取ったからって、そのあと
爆発的に仕事が増えることって
あんまりないですから。

M—1じゃねえんだよ(笑)

受賞後、爆発的に仕事が増えたって、
絵を描くのは本人だけだから、
そうたいして、量を増やすことはできないんですよ。

だから、それほど気にしないです。

だけどヒスイのチョー仲良しが
それも『絵が本業ではない友人』が
絵でデカい賞を取ったら


いやですねえ(笑)。


正直に言うとですね、
ヒスイはその、友人さんの気持ちこそ、
よくわかります(笑)。

自分が本腰を入れている分野で
自分がすごい大事にしているジャンルで、
知り合いが賞を取る。

それも ひょっと描いてみた絵で、受賞する。
イヤですね(笑)。モヤモヤする(笑)。

その状態の時に、相手から
「受賞したのー! 喜んでよー!」って言われたら
薄笑いを浮かべて
そのまま北北西に進路を取って
爆逃げすると思う(笑)。

実際、そういう事はめずらしくありません。
他ジャンルのクリエイターが
ヒョイッと作ったものには、
意外な斬新さがあったりしますから。

ヒョイッと評価されちゃうことって
あるんですよ。

分かっていても、
ムカつきますね(笑)。
「おめでとう」と口では言っても
お腹の中ではぜったいに
おめでたくなんかない。

『あんたの本業は文章の方でしょう?
 もう二度と絵なんか描くなよ、アホたれ』って
思いますね(笑)。

ここまで読んで
『ヒスイ、性格が悪いなあ』と思った方、
正解です(笑)。

でも、人生は正解で出来ているわけじゃない。
誤答と不公平と不平等でできているんです。
思い通りにならなかったことと、なんとか折り合いをつけながら
ちょっとずつ、
現実を受け入れていかなきゃ、いけない事ばっかりです。

だからつらいんです。
だからこそ、人に配慮をしたい。

最近、ふと気づいたのは、
「自分と他人の区別が、あいまいになっている人が多いな」
ってこと。

ヒスイの後輩ちゃんは性格がよく、
ヒスイもスキですが、
あの話に関しては、
あまりにも自分と相手を同一視しすぎていたんでしょう。

『あたしにとってイイことは、あなたにとってもイイことのはず。
 だから一緒に喜んでくれる』

……いや、むりだから(笑)。
その瞬間、後輩ちゃんから友人さんへは、不思議なほどの「一体化」幻想が湧いてて、自他の境界線があいまいになってて、
逆に友人さんから後輩ちゃんへは、
くっきりと境界線が引かれたんだと
思うんです。

結果的に、後輩ちゃんは友人さんと関係が悪くなり、
今はぜんぜん連絡を取っていないって
言っていました。

……まあ、
そうなるよね。

寂しいけど。
人間関係において鈍感である、ということは
良い事ばかりを産まない、と
いう事なのです。




何かを言う時、
ほんの2秒でいいから立ち止まって
言われた相手が、何と感じるか想像する。

その想像力を失うと
悲劇があるってことを
忘れないようにしなくちゃなーって
そう思いました。

また明日、ヒスイ日記でお会いしましょう。
日本中がWBC優勝で盛り上がっているのに
全く関係のない日記を書いたヒスイです(笑)

ヘッダーはUnsplashWoody Yanが撮影

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