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『きみだからできることがある』って簡単に言わないで。ヒスイからの、ささやかなお願い

「あなたは発達障害のグレーゾーンかもしれない。
だけど
だからこそできることって
あると思うよ」

子供の頃、とある心療内科ドクターに
そう言われたことがあります。



ヒスイは小さいころから、明らかに 
『普通』から浮いている子供でした。
母は育てにくさに辟易し、
どこかに理由があるはずだと考えて、
ヒスイをカウンセリングに連れまわした。

冒頭の言葉は
ドクターショッピングで回った何人目かの
心療内科医に言われたことです。

その時のヒスイに浮かんだことを正直に言おう。

『グレーゾーンだからできることって、何なのよ。
それが分からないから、大勢が困ってんでしょう。
グレーゾーンでも発達障害でも自閉症スペクトラム傾向もないひとに
何が分かるっていうのよ』

こういう事で、多くの人の怒りを買うかもしれないけど。
正直に言わせてほしい。

発達障害や、グレーゾーンにいる人の頭の中は
本人じゃなくちゃわからない。
だからお願い。

『きみだからできることがある』って


簡単に言わないで。

自分にできることなんて
何も思いつかない。
自分が出来ないことなら
100万でも、すぐに思いつく。

この世界と自分が 明らかに、決定的に
絶対的にずれていることだけは
誰にも言われなくても
わかっている。

それでも
ここで生きていかなきゃならない。
たとえ一生ずっと部屋に引きこもっても、
自分の脳内の叫びを
中和することはできない。

なんで、皆が普通にできることが 難しいのかな。

靴ひもの結び方
ご飯を食べる順番
季節の挨拶

ぜんぶ、いったん考えて
脳みそにストレージしてある記憶庫から引っ張り出してきて
まちがいないかどうか
何百回もシミュレーションしてからじゃなきゃ
『こんにちは』も言えない。

自分がいつも
間違ったタイミングで
間違ったことをしている気がする。
世界から
拒まれていると感じる。

そんな日々が
死ぬまで続くんです。

ヒスイは、
日本人女性の平均寿命をしらべて、そこから逆算し、
死ぬまでの日数を
数えたこともある。
自分の残り時間を
冷静に
秒単位で計算したこともあります。


それは悲痛でも何でもなく
『グレーゾーン』ヒスイの
日常でした。
そうやって少しでも
自分と世界をすり合わせたいと
思っていました。



だけど今、少し大人になったヒスイは思うんです。
ひとは、誰の脳内のことも
わからない。
自分の脳内のことだって
よくわからない。

わからないのが『ふつう』で
『ふつうのひと』で
だからわからないのは
『ヒスイだけじゃない』


これでいいんだ。



<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡

今日はちょっと
子供時代を思い出すことがあったので
書いてみました。

ヒスイははっきりと、発達障害もしくは
自閉症スペクトラムと診断されたわけではなく
『かぎりなく近いグレーゾーン』と言われてきました。

そう言う子供が
頭の中でどういう事を考えているのかは
ものすごくよく
わかります。

もちろん子供一人ずつに個人差があり、
すべての子供さんがそう思っているわけではないのですが
世界と自分のあいだにある
奈落の底のような距離感が、
ちょっとだけ
伝われば幸いです。

ではまた。
あした、お会いしましょう。

ヘッダーはUnsplashAndrey Zvyagintsevが撮影

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