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「きみを切らせてくれて  ありがとう。熱の合間の、恋の話」

「手で働き乍ら(ながら)考へることだ」岡本かの子

まだ、かすかに熱の残るヒスイでございます。
2日ほど、うつらうつらしていたら
古い恋が思い出されてきたので、今日はそれを書きます。

まだ若いころ、ヒスイがめちゃめちゃに惚れた男がいました。
いい男でした。いい男の例にもれず、ろくでなし(笑)
つねに何人かの女と、つながっていないと不安な男でした。
だいたいヒスイは、そういう男に引っかかる(笑)。

ヒスイはそいつに惚れぬいて、力つきる直前に
死にものぐるい、のような、ラインを送りました。

『あたしが好きすぎて、もうダメなんだ。
これで最後にする』

これにたいして、半日たってから、マヌケな返事がきました。
『そっか。それは残念だね(笑)』

読んだ瞬間。
ヒスイは、そいつに対するひたひたの愛情も執着も情念も
ふあっとキレイに干上がるのを感じました。
文面に対してじゃないです。
『(笑)』に対して、ヒスイの愛情が、反応したのでした。

その時のヒスイは、仕事も友情も片手で投げ出すほどに、その男に惚れぬいていました。だから『最後』という言葉は、それこそ血を吐くようなものだったんです。
それにたいして『(笑)』を返せる男の軽さ・浅さ・バカさ加減に
ヒスイの視線が、平らにもどった瞬間でした。 

そこから、ヒスイがそいつのラインアカウントを削除するまでに
たぶん4秒もかからなかったと思います(笑)。
たいへんに惚れた男でしたので、彼のことを思い出すことはそのあとも多々ありましたが。
連絡はいっさい取らず、存在と記憶を真空パックにしてキャベツ箱行き(笑)。何もかも、終えられました。

どんな恋にも。ぜったいに押しちゃいけないスイッチがある。
あの恋にとっては『(笑)』の一言が、ヒスイの中のアンタッチャブルなスイッチでした。
そのおかげで。今のヒスイがある。
そしてヒスイは、今の自分がわりとスキです。

だから、あのとき。
『(笑)』を送ってくれて、ありがとう。
きみを切らせてくれて。
ありがとう。



熱のあいまに、思い出したことを書いてみました。
こういうの、もう恥ずかしげもなく書けるのね。
年取ったのね、ヒスイも(笑)

さて。本日は月曜日。
NNおやぴん、虎の穴の日です。
20時、新作が出ます。お題は「歯磨き」です。
ざっくりと仕上げたので、これから直しにかかります。
また、20時にお会いしましょうね。

ちゃおっ!

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