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「僕はレアで異端で、天使じゃない」ヒスイの毎週ショートショートnote・410字

その夏、世界で『天使病』が大流行した。
『天使病』の後遺症は『天使の輪』だ。輪は頭上でキラキラ光り、患者は美男美女に見えた。まるで天使。
だが、何ごとにも少数派がいる。
僕は少数派。天使病にかからず、頭上は空っぽだ。

ある日、道で落ちている『輪』を見つけた。持ち主は見つからず、僕は帽子のようにかぶって歩き回った。
でも周囲は目もくれない。天使が一人増えても、どうってことないんだ。
僕は輪をはずして片付けた。

翌日から頭上に雲が浮きはじめた。薄い雲は日によって色が変わる。面白がって写真をSNSにあげ、ブログを書いた。
気づいたら『雲のヒト』として人気者になっていた。

ある夜、僕は天使の輪を取り出した。
「ありがとう」と言うと、突然、輪はパリパラと軽い音を立てて砕けてしまった。カケラはひとつずつ小さな天使になり、ふわりと浮き上がると僕にキスをして夜に流れていった。

必要な人のもとへ飛んでいくんだろう。
あの日、僕へ届いたように。


【了】(改行含めず406字)


ふう、字数を削るのが
毎回大変です(笑)。

今日も たはらかにさんの毎週ショートショートに参加しています。
お題は「大増殖 天使のキス」

へいちゃんのは、これです!
天使、大増殖してます(笑) このオチ、だいすきです(笑)!


さて。明日はちょっと、書いてみたいことがあるので
お休みしませーん。
また明日、お会いしましょう💛

天使の輪っかが欲しいヒスイでした(笑)!

ヘッダーはUnsplashAustin Neillが撮影

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