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「銀色の身に紅白を巻きしめて――」ヒスイの新巻シャケ短歌

「銀色の身に紅白を巻きしめて
荒巻鮭の口ひらきたり」ヒスイ


ヒスイ、年末に……こんなのを、見たわけですよ!
コストコの新巻鮭。
コストコですよ!?


画像はこちらのブログからお借りしております
https://bbs.costcotuu.com/question/1062815

いちおう、箱に入っているんですけどね!?
新巻鮭でした。
新巻鮭……。

新巻鮭って、こういうやつじゃないですか!?

画像はこちらから、お借りしております。
https://www.marukoshi-iwate.com/?pid=137339513

少なくとも、ヒスイの子供の頃は、これでした。
塩が強くて、しょっぱくて……
だからあんまり好きじゃなかったんですが、
なぜか毎年、お歳暮で送ってくださる方がいらしたんですね。
さすが実家だ(笑)。

実家って、なぜか謎のものがたくさん送られてきますよね(笑)
母がぶつくさ言いながら、三枚におろしていたのを思い出します。

そりゃそうですよね、頭も尻尾もある。
そして大きいんです(笑)
いま思えば大変ですよね(笑)
とはいえ、いただきものです。一家で食べねばなりません。
こうなると、主婦ってほんとうに大変だなあと思いますね。

そしてヒスイは、子供心に新巻鮭の姿が
非常に不思議でした。
かすかに青い銀色の身に、紅白の熨斗紙を巻かれたシャケは、
生干しというんでしょうか、ほんのり生気があって
でもお腹を抜かれていて、確実に生きているわけじゃない。
それでも、たしかに生きていた気配がありました。

生物を食べるということを
感覚的につかんだのは 新巻鮭が初めてだったかもしれません。

人は、生きているものを食べていかなきゃ、生きていけません。
ベジタリアンの人はすごいなあと思うのですが、
ヒスイは魚は好きなので、
どうしてもたべたい。

仏教徒や宗教的な意味合いはなくても
『ああ、生きているって、ほかの生物のいのちを
ありがたくいただかなきゃ、どうしようもないんだなあ』と
子供ながらに思ったものでした。

それが、今になって、コストコですよ!?
きちんと半身になって、しかもスライスされたものが、
魚の形状として真空パウチに入っている。
衝撃的でした(笑)。
同時にふと思ったんです。

これだって、頭と尻尾がついている。
ちゃんと魚の形状になっている。
だからこういう新巻鮭を食べる子供は
自分がほかの命を奪いつつ、日々を生きているってことを
体感的に理解できるんじゃないかなあって。

そんなもん、見なくても分かるでしょーって
お思いかもしれませんが、
いやいや。
令和の子供をあなどっちゃいかんですよ(笑)
なかには、マグロの全体像を見ても、それと食べている切り身が
つながらない子供もいるんだそうです。

そりゃそうですよね。
魚をおろしている(解体している)場面を見てなきゃ、
ピンときませんよね。
そういうものです。

<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡

ヒスイは特にオンラインの世界を否定するとか
VR的なものを拒否するつもりはありません。
でも、
人間って自分の眼で見たこと、皮膚で感じたこと、
匂いを感じたことのほうが、記憶にくっきりと残ります。
オンラインの世界は 遠方の友人とつながれたり、
思わぬ世界を知ることが出来たりと
大きなメリットもありますが、
そういういろんなメリットを越えた先に、

『体で感じる』

という絶対的なものがあるような、気がするんです。
これはもう説明ができないことで、
なんとなく、分かるというだけなんですけど、
データをどれだけ積み重ねても、
実際に、自分の五感をとおして得たものには
かなわない気がします。

えーと、話しは跳びますが、
ヒスイは先日ですね、AIで小説を書くサイトっていうのを使ってみたんです。
小説の冒頭を数行書いて、サイトに入力すると
AIが続きを書いてくれる。

読んでみた。
なるほど、小説として意味が通るものができました。
同時に
ああ、こういうの読んだことがあるなあって思ったんです。

そうなの。
『読んだことがあるようなもの』
既視感。デジャヴ。
それは小説としては、安心をもたらすもの、かもしれないですが、
展開はおもしろくなかった(笑)。
当然です。AIは、過去の人気作のデータを積み上げて、
そこから適正と思われる文章をチョイスしてつなげるものだからです。

だから小説としてズタボロに破綻しない代わりに、

「えええっ、 ここでソレ!? ここでその展開!?」
という驚きはありません。

要するに、
綺麗にできているけど、つまんない小説になるんです。
何度も読もうとは思わない。
驚きもワクワクもないから。

これって、
新巻鮭の頭を落としたことがない子供と
似ていると思ったんです。

人間は、最後は五感を持った生き物です。
生物としての基盤が薄くなると、感覚も薄くなってしまう危険性があるなあと
AIの書いた小説と、コストコの新巻鮭を見ながらそんなことを考えました。

ええ、もちろん。
シャケ好きのヒスイは、半身をいただいて帰りましたよ(笑)
同居人、ケロリンが大喜びで
ちゃんちゃん焼きを作ってくれました。

北海道……うまーーーーい!
まあ、結論はこれですね(笑)。
うまいは正義。味覚は正義。

空腹と、五感はすべてを凌駕する。

以上です。

「銀色の身に紅白を巻きしめて
荒巻鮭の口ひらきたり」ヒスイ

ヘッダーはThree-shotsによるPixabayからの画像

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