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「気温32度。氷点下の熱帯夜」かっちー俳句「水水水水氷水水水水」コラボな詩

溶けてゆく。
溶けてゆく溶けてゆく溶けてゆく。
右手の先から
とろとろと水になり、蒸発し、干上がっていく。
 
うまくつながれない右手。
失敗続きの右ひじ。
やがて肩までとけきって
 
体の芯には、北極のような氷。
熱帯夜に
あらがいつづける。
 
気温32度と背骨の氷が
拮抗する。

こんなに努力しているのに
天は報いず
地はあざ笑い
今生ヲ、黒い水が巻き取っていく。
もう何もかも
うまくいかない。

投げ出そう。
やめてしまおう。

 そのとき
電話が鳴る。
 

左手が
つかみ取る。
 
 
『よう、どうした。
今夜あたり
電話してくるんじゃないかと
思ったのに。
飲みに出よう』



溶けてゆく。
溶けてゆく溶けてゆく溶けてゆく。
左手の先から
絶望が水となり、
左ひじを破壊しながら
肩をくだいて、蒸発していく。

私の背骨は
熱帯夜を蹴散らす、南極の氷。

「行くよ。15分後に」

カランとどこかで
氷が鳴る。

たぶん未来で
きみの手の中で。


今夜は脊髄に氷を立てたまま
きみと

朝まで
眠ろう。


【了】 (改行含めず 398字)


かっちー様が生んだ鶴亀杯 俳句

「水水水水氷水水水水」


へのオマージュです。
あとこれは。

ヒスイにいつも勇気をくれる
早起き鳥ちゃんへ。

ありがとう。
貴女がいなければ
ヒスイはいまも、
ネボスケはと時計です(笑)

あんまり、がんばりすぎないで。
貴女は、ただ貴女のままでここにいることが
なによりも大切な人なのだから。


らぶ あんど ぴーす。
あぽろんが、ヒスイに化けているわけではありません(笑)。


今日はこれから、温泉へ行くので。
あいかわらず、姪の澄&ケロリンという
地獄の黙示録みたいなやつらに同行するので
帰りの時間がわからず

朝、公開していきます。
かっちーさん。
水と氷俳句、
ページがどこか、みつけられなかったよ(笑)
かわりに苗子さんの水と氷短編を、リンクしときます(笑)
これも素敵だった(笑)!

https://note.com/nanadanaeko/n/n0a510bec6053




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