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「読書感想文・コジ部長の410字ショートショート全11作②」

「ありがとう。また明日ね!」
「君に贈る火星の【ショートショートnote杯⑩】」kojuroさまより


はい。こちらはコジ部長「410字ショートショート」の感想文です。SF短編の『君に贈る火星の』です。

さて。この410字の中に、コジ部長はふたつの「ニセモノ」をひそませています。
ネタバレになりますので、これ以降は、コジ部長の短編をお読みになった後にどうぞ。

では、ふたつの「ニセモノ」解説を。
①2年という長旅で到着した火星に、地球に残っているはずの妻子が先に到着していた。
テレポーテーションで瞬時に移動できる→長旅は不要な「ニセ旅」になった(笑)

②.火星に来たと思っていたら、実は衛星・ガニメデが見える「木星」に来ていた(笑)→到着地がニセモノ

これに付随して
③八太が息子に約束して、手渡した石は、火星ではなく木星の石だった(笑)


と、このように意外感が満載の410字。
SFの古典的なジャンル「タイムラグ・テレポーテーション・ロケット宇宙旅」が組み込まれたうえに「家族の情愛」がしっかりと入っている。
ヒスイはここが好きです。

だってテレポーテーションしてきた息子さんは、そこが「木星」だってことが分かっているはず。
書いたご本人は、「木星だと伝わりにくかった」とコメントしておられましたが(笑)。

ここで息子さんはお父さんから
『健一、石だよ。火星の石。持ち帰るって、約束したよな』
といわれて石を素直に受け取り
『ありがとう。また明日ね!』と答えるのです。

これをストレートな親子の情愛といわずして、なんと言おう。
ヒスイはこの短い会話に、家族のいたわりと愛情を感じました。


思うのですが。
文章は、書き手の本質を意図せず、あらわします。
浅い人間の文章は、いかにうまくても深く伝わってこない。
あとに、残らないのです。
ずるい人間の文章はどこか上っ面な調子の良さで
スルスルと読めますが。やはりすぐに消えてゆく。

人間として、しっかり立っている人の文章は
瑕瑾があるとしても、読んだ人の中に残るのです。
まるで砂金が泥の中からのぞくように。
物語の底に、温かいものが沈んでいるのだと思います。


文章の技術を思うより。
人間性を磨け。
それが自分のなかの「ニセモノ」を打破する、唯一の道だ。
これがヒスイの気づきです。

どうぞ。作中の主人公「八太」さん。
テレポーテーションで、サクッとご帰宅ください(笑)。
明日は、お家でごはんとお風呂ですね(笑)


この感想文シリーズ。こっそり続けさせていただきます。
コジ部長にバレたくないですが。
ま、みつかるよね(笑)。先に言っとこう。
「ごめんなさい、ありがとうございます(笑)!」

さて。こちらがヒスイの410字『君に贈る火星の』です。

おなじくSFものですが。スペースロマン感がないのは、力量の差か(笑)。
ヒスイ、修行中の身であります!
なお、この感想文はNNおやぴん・虎の穴「ヒスイの100本ノック⑥ お題:ニセモノ」としても提出します。
月曜日は「ニセモノ」で、澄の短編も出しますよー!


#NN師匠の企画
#ヒスイの鍛錬100本ノック
#ニセモノ

100本ノックのお題:
(未定)←腸管←消しゴム



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