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整形外科

何年ぶりだろう。
このKUSSO暑い中、がんばって整形外科に出かけた。
思ったより風が強く、軽量の折り畳み日傘は何度もひっくり返りキノコになった。

行った理由は、手首の痛みだ。
原因はわかっている。絵の描きすぎ。年齢(中年)。スマホが大きくなった(iPhoneSE→SE2)ことによるスマホ指。
たぶんこのあたり。

市内にある整形外科を調べつくしたが、正直、ハンドルを握るのもつらいほどの痛みで、できれば車の運転をせずに出かけられるところを探した。

こんなご時世だからか、いくつか読んだ口コミでは「混雑している」とのことだったが、そう広くもないし狭くもない待合室は、ソーシャルなディスタンスを十分にディスタンスできるほどの人数しかいなかった。

10分もしないうちに名を呼ばれ、[診察室]と書かれたドアを開けると、正面から順に、診察室①②③と番号が振られたみっつの部屋。
カーテンがされているのは①で、②③は開いているようだった。
おや…?「診察室へどうぞ」としか言われてないな?と戸惑っていると
「そのまま入っていいですよ」
男性の声。天の声???
「ここですか」
「そうですそのまま入ってください」
白いカーテンの前で立ち尽くすわたしを見透かしたように、いざなう声。

カーテンを開けると、白髪に黒髪が混じった、という感じの割合でやや毛量の多い、中肉中背でもおなかは出ていない、年のころは60前くらい。
カーキ色のポロシャツとチノパンに白衣を羽織った、町医師然とした、そんなオッチャンがよくある丸椅子に腰かけていた。

普通のおじさんだ。
医師の威圧感もなく、怖い眉毛もしていない。
朝ウォーキングで通りかかると、寝ぐせにパジャマのまま家の新聞受けに立っていそうな普通のおじさん。
でもたぶん、健康に気をつけているのだろう、出ていないおなか。ポロシャツを脱いだら、おなかが割れているのかもしれない。

ほんの数秒の間に、空いた丸椅子に座るわたしがそんな妄想をしているともつゆ知らず、先生はカルテを眺めながら診察が始めた。
問診票に書いたとおりの症状を話すわたしの話を、うんうんと聞き、右手を取り、親指で患部をぐりっとした。
「ここだね?」
「はい」
わたしの返答に、軽くニッとして
「絵を描くのは趣味?趣味で描いてるの?」
「そうです。長時間に及ぶこともあって」
「仕事は何してるの」
「PCを使った事務作業で、マウスを使うときも痛みます」
「それはここだね」
と自然にその位置を示す。
「痛いところが、それぞれの動きの支点なんだよね。どうしても痛くなりやすい」
と、腱の動きの説明を受けて、レントゲンを撮ることに。

結果。
「骨、きれいだね~。変形も全くないよ」
お墨付きでした。

腫れも目視ではみられず、左手と比較しても変わりがなくて、ちょっと残念そうな先生。
「たぶん長年の疲労の蓄積かな。痛かったら貼り薬貼って休めておいて。持ってるでしょ?」
「あっはい」
「じゃあそれでいいから、手を使ったら貼るようにして」
と、すべてお見通しの先生。

市販の貼り薬の成分の説明を受けたり。
「市販のシップは冷やすんじゃなくて、含まれてる鎮痛消炎効果の成分がしみ込んで効くのが大事なんだよ」
とのことで。のみ薬までは出されなかった。

考えてみると、母も今のわたしくらいの年齢に、腱鞘炎を起こしてた気がするので、もっと「年齢的に出るんだよね~」とか言われるのかな?と思ったんだけど、特に言われることもなく、対応もいままでと何ら変わりなく。

ときどきあんまりにも痛くて、シップでよくなるのかな…このまま手が使えなくなったらどうしよう、と思っていたのもあったので、気が楽になった。
話を聞いてくれて、こちらの話を否定せずに上手に話してくれるいい先生でした。
また何かあったらここに来よう。
先生元気でいてね。

帰り道、安心したので近くの喫茶店で美味し~い将軍コーヒーを飲んで、リッチな気分。

お天気もよく、将軍様に謁見し(て飲み干し)たことで気が大きくなり、久々に地元でのお買い物に歩き、たくさんの買い物袋を提げて帰りました。
久々に陽を浴びて、寝ることと絵を描くこと以外に動いた。

やっぱり暑くて、めちゃくちゃフラフラになったけど(よわい)

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