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Web制作業界に就職するあなたへの手引き(その1)Web制作の仕事はなくなるのか?

Web制作の仕事を始めたいという人は、世の中にたくさんいるようです。

#駆け出しエンジニアと繋がりたい 」などのハッシュタグを見ても、Web以外の技術を勉強している人に比べて、やはりHTMLやCSSを勉強している割合が高い気がします。その次も Rails か Laravel を触ってWebサービスっぽいものを作ってみたり、という感じでしょうか。

Webの技術は、やはり人工知能とかAIとかに比べると、確かにかんた…じゃない、敷居が低そうに思いますもんね。

一方、最近、私がTwitterでフォローしている人たちが、価格破壊について話題にしているのを目にしました。

クラウドソーシングの世界では、なんと1ページ作成して1000円〜の依頼でも応募が集まる状態だそうです。もちろん極端な事例かもしれませんが、これが例え2倍・3倍の金額だったとしても、とても労力に見合った報酬とはいえないでしょう。

価格が低いということは需要がないということ、これは経済の基本です。Webサイトを作るという仕事は、やりたい人はいるのに、仕事としては需要がない消えゆく仕事なんでしょうか?

その証拠に?世の中にはコードを書かずにWebサイトが作れるというツールすらあるようです。

Web制作の仕事とは、将来AIに取って代わられてなくなってしまう運命の、一過性の仕事なのでしょうか?


自己紹介と連載の趣旨

前置きが長くなりました。この連載を執筆しているコンクリートファイブジャパン株式会社代表取締役の菱川と申します。

本連載「Web制作業界に就職するあなたへの手引き」シリーズは、弊社の新規メンバーへの教育を目的にしたコンテンツとして、note上で連載していく予定です。

弊社では、現在他業種からの転職や未経験での採用も行っています。実際に、全くの未経験から入社後に実案件を通じて学び、ディレクターとして顧客と直接折衝したり、エンジニアとして実案件の開発を担当したりして活躍しているメンバーが生まれています。

当然、誰でもそうなれるというわけではありません。弊社では、各ポジションに求められるスキルを定義し、本人の特性や前職での経験を元に、その適性があると判断できる方の採用を決めています。

逆にいえば、弊社は少し業界の中でも変わった会社だと思いますので、弊社がクライアントに提供する価値を実現するために必要なスキルは、必ずしも業界経験から身につくわけではないということでもあります。極端な話、業界で何年も働いていても、全く将来生き残れるスキルが身につかないということもあり得ます。

もちろん、売り手市場の現在、経験者に絞っての採用は、弊社のような小規模な会社にとってはハードルが高いという事情もあります…。我々が考える価値の詳細や、なぜ変わった会社なのかということについては、連載の今後で取り上げたいと思います。

未経験や他業種から入社した方は、Web制作という特殊な世界におそらく馴染みがないことと思います。正直なところ、これまでは「とはいえ、実務をこなしていくうちに段々分かってくるだろう」という甘えもありました。しかし、やはり共通認識としてテキストにまとめた方が良いなという反省があり、今この文章を書いています。せっかくなので公開の場で共有しようと思い、noteをプラットフォームとして選びました。

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Web制作の仕事はなくなるのか?

それでは改めて、表題の問いに戻りましょう。

簡単にできるツールが現れたら、Web制作の仕事はなくなるのでしょうか?答えはもちろん、Noです。少し、似たような設問を設定してみましょう。

スマホで4K画質の動画が撮影編集できるからといって、映画監督の仕事がなくなるでしょうか?
誰でもPCでチラシが作成できるからと言って、ポスターをデザインするデザイナーの仕事がなくなるでしょうか?

さすがに、いくらスマホが高性能になっても、映画監督の仕事は奪わないし、パワポの登場でデザイナーがいなくなるなんて、全く次元の違う話、と思いますよね。Webサイトを作る仕事も、いくら便利なツールが出現してもそれは次元の違う話、なくなるわけない、で済めば話は終了なんですが、どうもそうではないようです。

ひとつの理由としては、「映画制作」だとそれがどんなものかはイメージしやすいが、「Webサイト制作」だとイメージできる人が少ない、という点が挙げられます。

実は、Web業界に就職するような人でも、Webサイトをほとんど見た経験がないという人も多いのです。そんなバカな、と思うかもしれませんが、逆にあなたが最近見たサイトを覚えていますでしょうか?

Twitter, Facebook, YouTube, Amazon, Wikipedia…。他には?

意識して、あるいは必要があってアクセスする人でないと、意外と超定番以外のWebサイトを利用する機会はまれです。これでは、Webサイトとはどういうものか、イメージできなくて当然ですね。

もうひとつの理由として、形のないものの価値はピンと来ないということがあるでしょう。

例として、コミュニケーションも形がなく、分かりづらいものかもしれませんね。昨今の情勢でZoomなどのオンライン会議が急速に普及しましたが、Zoomで打ち合わせができるなら、対面のコミュニケーションはなくなってしまうでしょうか。

そもそも、一人1台まで携帯電話が普及しても、結局みんな直接会って話をしていました。携帯電話に欠けていたのは顔が映る機能やバーチャル背景を設定する機能で、それさえ解消すれば対面で会う必要はなかったのでしょうか?そんなわけないですよね。

結局、形のないものほど、センセーショナルに「消える仕事!」などと煽りやすいのかもしれません。とはいえ、代替手段が普及すれば当然、その本質的な価値とは何なのかが見直されます。コミュニケーションによる価値を生まない対面打ち合わせは、廃れていくのは間違いないでしょう。対面のメリットとは…もちろん、上座・下座が設定できることじゃないですよね😉


本日のまとめ

Webサイト制作の仕事の価値が一部では非常に下がっているという話題から、本質的な価値は消えない、というお話をしました。せっかくこれからWeb制作の仕事を始めようというあなたには、ぜひ消えない方の仕事を覚えて欲しい。そのためには、まず「Webサイトとはそもそもどういうものなのか」を勉強し、「Webサイトの存在価値」について深く知る必要がありそうです。

次回以降の記事では、Webサイトという媒体の特性や、Webサイトの役割について取り上げて行きたいと思います。


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