ヒプノシスマイクで学ぶ英語(接辞編)
ヒプノシスマイクの楽曲で使われる英語を例文として解説します。
はじめに
ヒプノシスマイクの楽曲には様々な英語のフレーズが登場しますので、それらを用いて楽しく英語についての知識をお伝えしようと思います。
筆者はあまり英語が得意ではないので、誤りなどがありましたらコメントにて指摘しただければ幸いです。
今回はDivision Battle Anthem + を中心に抜き出していきます。
接頭辞/接尾辞とは?
まずは接頭辞、接尾辞とは何であるかを説明しましょう。
これらは単語の中で「意味を持つ部品」として分けられる部分を指します。
動作主を表す -er, -or
> 立ち上がれ Gladiator、すっこめ臆病な Hater
この歌詞の中の hater は -er という接尾辞を持ちます。
部品にも語頭につくものと語尾につくものがあるので、それぞれ「接頭辞」「接尾辞」と呼ばれています。
ヒップホップの世界では少々特殊な意味を持ちますが、一般的には「何かを嫌う人」と訳せるでしょう。
-er という接尾辞は主に動詞にくっつくことで「動作主」を表します。
例えば I hate you. という文で "you" を嫌っているのは "I"です。
この場合、動作主は "I" となります。
他に -er を持つ単語は
buster (何もかもなどを)ぶっ壊す(=bust)人(物)
fu**er (※省略)
などが挙げられます。
また、似た接尾辞で "-or" を思い浮かべた方もいらっしゃるでしょう。
こちらも "-er" と同様に動作主を表します。
creator (作る(=create)人) computer (計算する(=compute)もの)
-er と -or のどちらが使われるかどうかを知る方法はあるのでしょうか。
大まかな傾向はあるらしいのですが、残念ながら複雑かつ例外も多いので単語ごとに覚えたほうがよさそうです。
さて、先程しれっと gladiator を無視しましたが、これは -or の接尾辞とは言いにくいのです。
gladiator は「剣闘士」を表しますが、この単語から -or を取り去ると *gladiateという形が予想できます。
(-ate で終わる単語に -or/-er をつけると -ator になるため)
(アスタリスク(*)は実在しない単語を示します。ご注意ください。)
しかし、 *gladiate という単語は(動作を表す動詞としては)英語に存在しません。
実はこの gladiator という単語はラテン語から輸入されたものらしいのです。
もともとラテン語で gladius (グラディウス) は剣のことで、そこにラテン語の接尾辞 -tor がくっつくことで gladiātor (グラディアートル)になりました。(ラテン語の接尾辞 -tor は英語の -er/-orと同じく動作主を表します。)
このようなトラップもままあるので、接尾辞接頭辞も万能ではありませんが、単語を覚えるのに少しは役に立つと思います。
可能であることを表す -able/-ible
> Incredible 縦・横・斜め 予測不可能なストリートのルール
incredible は「信じられない」という意味です。
この単語は以下の要素に分解できます。
in- 否定の接頭辞
crēdō (クレードー)ラテン語で「信じる」
-ible 「〜可能な」という意味の言葉を作る接尾辞
またラテン語です。英語とラテン語はもはや不可分です。諦めてください。
否定を表す in- を外すと credible 「信用できる」という単語になります。
crēdō から派生した単語に credit などが挙げられます。
クレジットカードのクレジットです。つまり「信用」を意味します。
さて、その直後に出てくる「予測不可能」は unpredictable です。
この単語も同じように分解できます。
un- 否定の接頭辞
predict 予測する
-able 「〜可能な」
こちらも否定を表す un- を外すと predictable 「予測可能な」となります。
小生は夜の海のダイバーですので、もう少し潜ります
predict 「予測する」なのですが、 pre- は「あらかじめ〜する」のような意味があるので、 predict という単語を知らなかったとしてもある程度は予想できるかもしれません。
同じく pre- を持つ単語として以下のような単語が挙げられます。
prepare 準備する
prepaid プリペイド(事前に支払う)
dict の方なのですが、dictionary などにも共通する言葉に関する意味を持ちますが非常に古い由来を持つため、今回はこの辺で耳を塞いでおきます。
incredible, unpredictable の話に戻りますが、同じ否定の接頭辞として in- と un- が使われていることにお気づきでしょう。
この二者の違いは単語の由来によるのですが、やはり -er/-or と同じように単語ごとに覚えるのが賢明だと思われます。
おわりに
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
当初の予定ではもう少しライトな話をするつもりだったうえに、接辞だけでひとつの記事を占めるなんて予定ではありませんでした。
次回はもう少しライトなものを扱いたいと思っています。
手始めにラテン語が出てきたらその時点で退くようにしましょうか。
おまけに
ロシア語でヒプノシスマイクは
Микрофон Гипноза
ミクラフォーン・ギプノーザ
サブローザ
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