失言ほど残り続けてしまう悲しきこの都に。

「バーボン、ロックで」
彼は決まって一杯目にそう頼む。

そんな風に思われたかった。誰かの小説に書かれたかった。

実際には難しい。
きっと自分は気分屋だから、「いつもの一杯」はないし、そもそもロックで飲めない。
というかキャラに合わない。
「キャラメルラテ あっホイップ多めでお願いします」
くらいがちょうどいい。

敷居の高い店には、未だに一人で行きづらさがある。いや、生きづらさもある。

子供のころは、隣町に行くだけで冒険だった。
知らない風景。
知っていても一人で来る、どきどき感。

いつからだろう。
そのわくわくを失ったのは。

一人でいるほうが苦痛になり、孤独を愛し始めたあの日が、大人になった日なの?


誰かの印象に残るの割と得意かも。
毎日同じことを繰り返していたら、離れたときも「これを見たら、君を思い出したよ」と言われたことがある。
自分の無意識が、誰かの意識に残るのは面白い。

新しいことをするのは好きだけど、腰が重くて結局、既存の繰り返し。
そうこうしている間に、時代は凄まじい速度で動き続け、そこに止まっている自分が誰かの意識に異質に映っているのだろうな。

貴方のルーティン教えてよ。

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