言葉のプレゼント交換
3月31日『portrait』と題し、10人の高校生を集めてイベントを開催した
そこで私が提供した場が『言葉のプレゼント交換』
仕組みはとても簡単で、
箱の中にある誰かの言葉が書いてあるメモを受け取る代わりに、
自分も言葉を書き、箱に入れる(四つ折りにし、中は見えない状態にする)
というもの
これは単なるメモのやり取りではない
小さなメモに書かれた“言葉”に出会うということは、見えない“相手”に出会うということだ
書き手は、その場にはいない”未来の誰か”に想いを馳せ言葉を記す
読み手は、その場にかつていた”過去の誰か”の想いを読み解く
そして、多くの言葉の中からこの言葉を引いたことの運命的要素を紡ぎ出す
二人を繋ぐ共通項は、同じ場に来たということ、同じ紙に向かいペンを持ったということ
そして次の瞬間、読み手は書き手に変わる
言葉をくれた“誰か”のことを想いながら、自分が言葉を送る“誰か”のことを想う
偶然の出会いから生まれる、アナログで小さな繋がり
インターネットの海は、大きな波を作り出す
その大きな波こそが全てだと錯覚し、飲み込まれそうになる時がある
私たちを奮い立たせることができるのは、そういう強い記憶かもしれない
だけど私たちを安心させてくれるのは、きっと日常のささやかな記憶だ
だから私は、そんな小さくて弱い記憶を祝福したい
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