CFOと機関設計

近頃、「ESG経営」や「ESG投資」という言葉をよく聞くようになったが、今回はガバナンスというテーマで勉強したことを書きたい。

※あくまで勉強内容なので、一般論とそれについて「なるほど」と思う感想を交えた程度です。

会計不正を防止するための内部統制の再構築

実際に発生する不正の事例を見ると、多くが想定外の者により想定外の方法で不正が実行されている

つまり、個別の不正リスクを識別し、その対応を考えるというパッチ処理的な方法には限界があるってことかと思う。

上場会社ともなれば、内部統制の評価項目はしっかり整備されている。
しかし、不正は何かしらどこかの企業で起きている。

私の意見では、目に見えない要素が大きいと思っている。
それは、経営者をはじめとする組織の「誠実性」「倫理性」だ。

ただ、これはマインドに当たるので、評価は難しく、「良い/悪い」の判断という話ではない。

不正が起きにくい、不備のない内部統制の構築がやはり必要なことに変わりはない。

私は、実務的に内部統制に関与したことがほとんどないが、CFOが中心にトップダウンで「ガッと進めていく」べき領域だと感じる。

なぜなら、内部監査室のような評価部門は、形式的な評価は可能であっても、実効性にまで踏み込んだ評価は難しいからだ。

最終的には、経営者自身の能力や知見をもって客観的に自己評価していかないといけない。もちろん、監査や評価部門からの適切なウォッチは前提必要だ。

ガバナンスと機関設計

上場規定や会社法では、会社の機関設計は数種の様態を認めている。

どのような機関設計を行うとしても、適切なガバナンス体制を構築することにより、透明性の高い経営意思決定ができる組織作りへの取り組みが重要となる。

硬い表現だが、ステークホルダーの存在や非財務側面からのコミュニケーション・意思表示にもなりうる点を意識したい。

CFOの役割は、企業戦略の方向性を示し、会社の持続的成長と企業価値向上のために、収益力と資本効率を図り、経営層がリスクテイクできる環境を整えることである。

文字で書くと非常に硬くなり恐縮だが、実際に上場企業で働いていていると非常にガバナンスの重要性を感じる次第である。

社外取締役

社外取締役の存在は機関設計上、重要であり、コーポレートガバナンスの鍵を握っているといっても過言ではない。

一般的には、経営判断や問題点を社外の目からチェックし、違和感を指摘する存在だ。

また、女性取締役の参画もダイバーシティや異なる観点という意味でも大きな意義があると思う。今後更に貴重な人材になることは間違いない。

まとめ

企業価値の向上は、非財務的側面からも多くの論点があり、私も最近その面白さと奥深さを痛烈に感じている。

CFOの役割は単なる財務・会計の責任者の枠を超えたものになっており、ステークホルダーとのコミュニケーションが重要な役割になっている。

また、どのようなコミュニケーションをしていくかにより、企業価値の評価も大きく左右される。

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