12月4日。リルケ「現在持っている最上の力より以下の仕事をしてはならない」

ライナー・マリア・リルケ(Rainer Maria Rilke、1875年12月4日 - 1926年12月29日)は、オーストリアの詩人、作家。シュテファン・ゲオルゲ、フーゴ・フォン・ホーフマンスタールとともに時代を代表するドイツ語詩人として知られる。

リルケは、ロダンとの交流の中で芸術観に感銘を受けて「言語」を通じて対象に迫ろうとした。ロダンの対象への肉迫と職人的な手仕事は影響を与え、抒情を捨てさせた。リルケはロダンの私設秘書となって講演旅行に付き添った。それを『ロダン論』にまとめている。

「旅はたった一つしかない。自分自身の中へ行くこと」

リルケは日本では森鴎外によって紹介された。堀辰雄、立原道造ら『四季』派の詩人に影響を与えている。

詩人・村野四郎に圧倒的な影響を与えたのはリルケである。それはハイカラ趣味の源泉でもあった。「リルケの詩はその都度、いつも私が辿ってきた各段階にふさわしい新鮮な示唆を与えてくれた」と言う。

小説家・野上弥生子は「現在もっている最上の力より以下の仕事をしてはならない、とするリルケの言葉は私たちも死ぬまで忘れてはならないものであろう」と述べて仕事に没頭している。「後日に思いを残す未練が生じないように、その時点において思い浮かべるすべてを書き尽くすつもりで集約の気分に発してとりかかる姿勢を常に私は基本方針としていた」と、谷沢永一がいうのと同じ厳しく固い決意である。最上の仕事の連続が生きている証となって結実するのだ。持てる力を最大限に発揮した仕事をしよう。

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