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「名言との対話」10月14日。葉室三千子「身についたものは忘れない」

葉室三千子(はむろみちこ ?    2017年10月14日)は、マスターズ水泳世界記録保持者。97歳の長寿の人。

夫は日本競泳界黎明期の選手で、1936年ベルリン五輪の200m平泳ぎ金メダリスト・葉室鉄夫(2005年に88歳で没)。鉄夫は引退後は毎日新聞社に入社し、運動部記者となってアメリカンフットボールの甲子園ボウル創設に携わるなど、第一線記者として活躍した。1990年に国際水泳殿堂入り。2011年に功績を讃えられて高石市ふれあい健康増進センターに記念コーナーが設けられている。

妻の三千子は、2013年にイタリア・トリノで開催され た世界マスターズ水泳の長水路(200m平泳ぎ)で、85歳で5分35秒82の世界新記録を出したスイマーだ。

「マスターズ水泳」とは何か。市民スイマーの祭典で、日本では18歳から100歳までが参加できる。生涯スポーツとしての水泳競技で、年齢区分は5年ごとだから、年齢が上の区分になったときがもっとも若いので、記録がでる可能性がある。葉室三千子の世界新記録は、85歳から90歳の区分に上がった85歳だった。

国際水泳連盟(FINA)が主催する水泳のマスターズ世界大会の1986年の第一回は東京だった。2年ごとに世界のどこかで開催されている。2017年大会では96カ国から9,000人を超える元選手や水泳愛好家が参加し、最年長97歳のアスリートも参加するなど、話題となった。

葉室三千子は2012年に娘・広瀬カヤ子とインタビューを受けて、「92歳&64歳親子女性スイマーの夢」という発言記録が残っている。「孫たちからお転婆をもじって<おてんばあば>と呼ばれている」「葉室は本当に素敵だった」「結納は金メダル」「年齢に限界はない」、、。、

そして「50年ぶりに泳いだマスターズ水泳で日本記録。身についたものは忘れない」と発言している。三千子はその翌年に世界新を出したのだ。覚えたものは忘れる。しかし身についたものは忘れない。それが言えるのは自転車の運転技術や、わかい頃に取り組んだスポーツだけではないのではないか。身につくということは身体に刻みこむということだ。カラダだけでなく、アタマも同じだと思う。

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