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「名言との対話」8月24日。稲盛和夫「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」

稲盛 和夫(いなもり かずお、1932年昭和7年〉1月21日 - 2022年令和4年8月24日)は、日本実業家京セラ第二電電(現・KDDI創業者。享年90。

鹿児島市出身。1959年仲間8人で京都セラミック(現京セラ)を設立。総合セラミックメーカーにそだて、1966年社長、1985年会長。

1984ソニーなどと共同で第二電電(のちKDDI)を設立し、会長。稲盛財団を設立し京都賞をもうける。1995年京都商工会議所会頭。19979年得度する。2010年には、会社更生法のもとに再建をめざす日本航空の会長に就任し、成功させた。

若手経営者を対象とする「稲盛塾」で多くの起業家を育てた。稲盛教とも呼ばれ、信者は多い。信者の一人の若い友人からも、稲盛塾の様子を聞いたこともある。

2022年に鹿児島大学の稲盛記念館を訪問した。稲盛和夫鹿児島大学工学部の出身だ。階段の両側が資料展示になっているという独特の記念館で、階段を登った一番上は稲盛が創設した京都賞のコーナーだった。

稲盛和夫の本は何冊か読んでいるし、雑誌などでも言葉を読んできた。

以下、集めた稲盛語録から。

  • つらいこともあった、楽しいこともあった。いろんなことがあった。それらのことに遭遇しながら生きてきて、どういう魂になったのか。それが人生の宝であり、人生の目的ではなかろうか。

  • 今日一日一生懸命生きていれば、明日は自然に見えてくる。明日を一生懸命生きていれば、一週間が見えてくる。今月一生懸命生きていれば、来月が見えてくる。今年一生懸命生きていれば、来年が見えてくる。その瞬間瞬間を全力で生きることが大切なんだ。

  • 人間の能力は未来進行形で発展します。たとえ今は実現できなくても、1年後、2年後に実現するつもりで努力を重ね、勉強をすれば必ず成長する。そのためにはまず、自分の能力が無限に発展すると信じることです。

  • 不運なら、運不運を忘れるほど仕事に熱中してみなさい。多くの日本人が自分に与えられた仕事に打ち込み、また、世のため、人のために役立とうとするなら、21世紀の日本は素晴らしいものになると信じています。

  • 創造的な仕事とは、高度な技術を開発するということばかりではない。今日よりは明日、明日よりは明後日と創意工夫をこらし、改良、改善を積み上げていくことである。一人ひとりが自分の持ち場で、もっと能率の上がる方法はないか、昨日の欠点をどうしたら直せるか、考える習慣をつけることだ。

  • 仕事の本当の喜びと醍醐味を味わうためには、渦の中心になって、周囲の人たちを巻き込むくらい、自発的に、積極的に仕事に取り組まなくてはならない。

  • ひとつの仕事や分野を深く追求することにより、すべてを知ることができる。広くて浅い知識は、何も知らないことと同じだ。

  • 安易に近道を選ばず、一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねていく。夢を現実に変え、思いを成就させるのは、そういう非凡なる凡人なのです。

  • 20代や30代のときには、どんなことでもいいからとことん突き詰めて究めることが大切だ。ひとつのことに精魂を打ち込み、どんなことでもいいから確信となる何かを得ることだ。

  • まだ誰も考えていない事、やらなかった事をやってみようと決心した時は、あれこれと難しく考えてはいけない。また予見をさしはさむのも良くない。よりシンプルに考えて挑戦してみる事だ。

  • 人生はつまるところ、「一瞬一瞬の積み重ね」に他なりません。今この一秒の集積が一日となり、その一日の積み重ねが、一週間、一ヶ月、一年、そしてその人の一生となっていくのです。

  • 瞬間瞬間を充実させ、小さな一山ごとに越えていく。その小さな達成感を連綿と積み重ね、果てしなく継続していく。それこそが一見、迂遠に見えるものの、高く大きな目標にたどり着くために、もっとも確実な道なのです。

  • 日々新たな創造をしていくような人生でなければ、人間としての進歩もないし、魅力ある人にはなれないだろう。

  • つまらないように見える仕事でも、粘り強く続けることができる、その「継続する力」こそが、仕事を成功に導き、人生を価値あるものにすることができる、真の「能力」なのです。

稲盛和夫という傑出した事業家には、松下幸之助と同じように、名言が多い。そのなかで何を採るか難しいが、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」を採ることにした。物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのは、構想は大きく楽観的に立て、具体的な計画は手持ちの資源を考慮しながら悲観的に立て、そしてと実行は楽観的に推進する。成功に必要なのは、楽観と悲観の組み合わせだ。これは個人の心構えだけでなく、事業を行うときの人材の組み合わせについての箴言でもある。


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