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9月21日。辺見じゅん 「人の生き方には『直向き(ひたむき)な生』と『諸向き(もろむき)な生』とがある」

辺見 じゅん(へんみ じゅん、本名:清水 眞弓(しみず まゆみ、旧姓:角川、邊見)、1939年7月26日 - 2011年9月21日)は、日本の歌人・ノンフィクション作家。

私小説風から童話・詩歌まで幅広い作品を手がける。1984年、『男たちの大和』で新田次郎文学賞を受賞。1988年、『闇の祝祭』で現代短歌女流賞を受賞。1989年、『収容所からきた遺書』で講談社ノンフィクション賞を受賞。1990年、『収容所からきた遺書』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1998年、『夢、未だ盡きず』でミズノスポーツライター賞を受賞。以上、様々の賞を受賞していることからわかるように、ノンフィクションにおいては、丹念な聞き取りを元に構成されているとして評価が高い。

荻窪の「幻戯山房」は、角川書店創業者の角川源義が住んだ場所で、住居跡は有形文化財として保存対象になている。角川の名前をもじって「幻戯山房」と名付けられていて、すぎなみ詩歌館という名称もついている。大出版社の創業者ではなく、俳人としての角川源義を顕彰した記念館だ。訪問したとき、作家の辺見じゅんは、角川源義の娘だったと知った。角川春彦・歴彦は異母弟である。辺見じゅんは偉大な父のつくった複雑な家庭環境にあったことで、冷静かつ批判的に家族をとらえる一方で、親子の愛情について私小説風の作品では細やかに描写している。現代短歌女流賞を受賞してる歌人でもあり、「みんなみの ニューブリテン島の 蛍の樹 遺書に記して 二十一歳なりき」 などの歌がある。歌集は7冊上梓しており、幻戯山房では源義の俳句と一緒に並んでいた。

「直向きと諸向き」。どちらを選ぶかはその人の生き方によるのだが、性格が底流となる宿命のようなものだろう。辺見じゅんは、直向き(ひたむき)な表現者とみえる。自分はどうだろうか。


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