4月20日。 竹内均「前進あるのみ」

竹内 均(たけうち ひとし、1920年7月2日 - 2004年4月20日)は、日本の地球物理学者。

竹内均はあこがれの寺田寅彦の孫弟子を自認していた。独特のふちの厚いメガネがトレードマークでテレビでもユーモアあふれる、わかりやすい語り口で親しまれた。東大退官後は科学雑誌「Newton」の初代編集長をつとめ科学知識の普及にも功績があった。

専門の地球物理学のみならず、一般科学から「修身」など人の生き方についてまで生涯で450冊の著書を刊行している。量産の秘密は書くことの5倍のスピードになる口述筆記だった。通勤で新書1冊を読み、読書メモもテープレコーダを活用し内容を要約して保存する。1時間で新書1冊は10枚のまとめになって蓄積をしていった。

毎月300枚以上のノルマを自身に課していた。あるテーマに関して3−4枚の断片を積み上げていく。それが100集まれば著作となる。売れる売れないに関係なく、自分の勉強のために原稿の形でストックしていくのである。

・独創というのは、すべての要素や知識、情報を収集し、可能なかぎり組み合わせて、その中からベストなものだけを選び、誰も考えつかなかった考えやイメージをつくり出すこと。

・仕事を遊びにする一つの方法は、その仕事を遊びと感じられるまで、その仕事に打ち込んでみること。

私もビジネスマン時代には竹内均の書いた「修身」型の本の愛読者だった。それを読み返してみると、過去に読んだ本のエキスを縦横に用いていることがわ改めてわかった。ひたすら前進し、ひたすら蓄積していく、そしてそれを様々なメディアを通じて発表し、世の中に影響を与え続けていった人である。「前進と蓄積」がこの人のライフスタイルであった。知的鍛錬を継続することによって人生を最高に生きることができることを教えてくれた。


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