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12月19日。大東隆行「リーダーは指導者でなくてはならんと思っています。支配者でも管理者でもいけない」

大東 隆行(おおひがし たかゆき、1941年3月8日 - 2013年12月19日)は、株式会社王将フードサービスの代表取締役社長。

義兄の加藤朝雄が1967年に創業した「餃子の王将」1号店へ1969年に入店。2000年に社長へ就任した時点で、不動産投資の失敗などで有利子負債470億円、倒産寸前だった。

社長就任後は毎朝6時前には出社し、本部のある会社の玄関を自ら開錠しては、玄関や駐車場を掃き清めて散水していた。昼には自身でトイレ掃除をしていた。社長就任の翌年から黒字に転換した。

王将には、4つのこだわりがある。王将の魂・餃子、手づくり料理、安全・安心、おもてなしの心。看板商品は餃子で、国内のあらゆるところから食材を調達する。手づくりのオリジナル料理をつくるスタッフは高い調理技術を持つ料理人だ。私も何回か王将で食べたことがある。

2013年12月19日早朝、京都の王将本社前で自分の自動車の近くで死亡する。銃弾4発を急所に打ち込まれていた。いまだに未解決の事件である。

・料理は魂、食は雰囲気

・ピンチにしないように早めに手を打っているんです。数字を毎日細かくチェックして、ちょっとした変化を見逃さないようにしている

・本社ビルはご覧のとおりボロボロです。ビルはカネを生みません。しかし、コンピュータにはカネをかけました。

・正直に言うと、『再建した』というよりも、『勝手に再建していった』という方が正しいな。毎日無我夢中やったからな。どんなときでも、自分にやれることはそんなに多くない。問題に対して考えられる策を、ただ実行するだけなんや。

・商売は人です。僕の目標は王将の仕事を通して人を残すことです。

・人間の値打ちは優しさと愛嬌だ。

中退した経理専門学校で身につけた数字を見る目と、人を大事にする姿勢が、倒産の危機を救った。大東隆行は 「「湯気が出ている背中」を下の人間に見せなければいけません」というリーダー像も語っている。料理の現場を彷彿とさせる「湯気が出ている背中」は言い得て妙だ。支配者であるという勘違い、管理者だという誤解は、ちまたの役職者に多い。それがパワハラになり、部下からの不信につながる。大東には、未来を指し示し、率先垂範する指導者の姿をみることができる。こういう人がなぜ殺されたのだろうか。この事件は追いたい。

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