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9月23日。 藤子・F・不二雄「のび太は、私自身なんです」

藤子・F・不二雄(ふじこ・エフ・ふじお、本名:藤本 弘(ふじもと ひろし)、1933年〈昭和8年〉12月1日 - 1996年〈平成8年〉9月23日は、日本の漫画家、脚本家。

小学校5年のとき、安孫子素雄と出会い、合作で漫画を描き始める。“藤子不二雄”としてコンビを組み、数多くの作品を発表。児童漫画の新時代を築き、第一人者となる。代表作は『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』『エスパー魔美』『21エモン』など。氏名の間にある「F」は本名「藤本(フジモト)」の頭文字。

以下、語録。

・物を作るというのは、その人の個性を100パーセント発揮させないとうまくいかないんです。(創造者には規制をかけてはいけない)

・ぼくのアイディアメモには、ちょっとした思いつきが、そのまま書き留めてあります。ぼくは、それを”タネ”とよんでいます。(メモの習慣が成功につながる)

・本当に普通の人であったのでは、漫画なんてものは描けません。プラスアルファ――なにか自分だけの世界を、ひとつは持っているべきである。 それは、必ずしもまんがに直結したものでなくてもいいのです。釣りが上手であるとか、模型作りに熱中するとか、SF小説を読みあさるとか。そういったことが、その人の奥行きになって、至極ありふれたものにプラスして、何か個性みたいなものが生まれてくるんじゃないか、と思うのです。(二刀流で生きよう)

・漫画を描くということは、一言でいえば「再生産」ということになります。かつてあった文化遺産の再生を、漫画という形でおこなっているのが「漫画家」なのです。(あらゆる文化遺産を新しい形で表現しよう)

面白い漫画を描くコツは、まず作者自身にとっておもしろい作品をかくことです。(自分が興奮する作品でなければ相手を感動させられない)

「漫画」というものを分解してみると、結局は小さな断片の寄せ集めなのです。(百説!)

思いついて川崎市にある「藤子・F・不二雄ミュージアム」を訪ねたことがあるが、予約無しでは入れなかった。このミュージアムには団体バスから子ども達が続々と降りていた。超人気漫画「ドラエモン」は、子育ての最中に一緒によくみた。主役ののび太は、勉強は駄目、スポーツも駄目、何をやらせても冴えない少年。明るい性格でゆとりがあり、温厚で優しく、他人を深く思いやる心を持っている。臆病者だが正義感は強く、誰かを助けるために勇気を振り絞って危険に立ち向かうことも多い。他人の幸せを共に喜び、他人の不幸を共に悲しむことができる。人を疑うことを知らない純粋無垢な性格。極めて意志薄弱な怠け者。都合が悪くなると、すぐ他者(主にドラえもん)に頼る。大の勉強嫌いであり、自主的には予習・復習・宿題はまずしない。授業中に居眠りや遅刻、宿題忘れ。嫌なこと、重要なこともすぐ忘れてしまう。 言い訳や屁理屈は異常に上手い。異常に臆病。運動能力は極めて低い。成績はビリから二番。、、、

しかし、藤子・F・不二雄は、「のび太にも良いところが一つだけある。それは彼は反省するんです。、、、、いつまでもいつまでも今より良い人間になろうと努力するんです」とのび太の長所をあげている。そして「のび太は、私自身なんです」と語る。自分自身がのび太のキャラクターだから、ネタは無限にあることになる。毎日、自分を描いていたわけだ。そういえば、人気マンガ「のらくろ」の作者・田河水泡が、義兄の小林秀雄に「のらくろは、実は俺のことだ」と言って感動させたというエピソードを思い出した。「まんがに限らず何か創作する人というのは、自分の中に何かを表現したい、自分以外の人に向かって訴えたいものを自分の中に持っているかどうかが一番大切なことだと思うんです」と藤子は語る。訴えるものがなければ、表現者にはなれないということなのだ。藤子はどうしようもない自分だが、より良い自分になろうとする自分を描こうとしたのだろう。それが子どもたちの心にヒットしたのである。

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