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8月17日。 柳原良平「つかめる夢はつかんだ。さらに夢をつくろう」

柳原 良平(やなぎはら りょうへい、1931年8月17日 - 2015年8月17日)は、日本のイラストレーター、漫画家、アニメーション作家、エッセイスト。

1950年代初頭にトリスウイスキーの広告に登場した切り絵の3等身の「アンクルトリス」は人気があり、高度成長時代にふさわしい国民的キャラクターになった。この作者が柳原良平だ。「サントリー天国」「サントリークオータリー」や、新聞に連載された「新入社員諸君。一歩踏み込め!」「沈着・冷静・果断」「一日一日を大事に使えば、必ず立派な人間になれる」など山口瞳のビジネスマンを励ます文章とマッチした絵は人気があった。私もモーレツビジネスマン時代には、こういった絵や言葉に親しんでいた。

柳原はイラストレーター、デザイナー、漫画家、アニメーション作家、エッセイストなどの仕事を存分に楽しんでいる。生涯で装丁を手がけた書籍は300冊以上。大胆なデフォルメの切り絵と必要最小限の線、そして白目の中の黒目の位置で顔の表情の変化を的確に表現する手法だった。

この人はこども頃からの「船キチ」でもあり横浜・山手の自宅兼アトリエは海の見えるモダン建築だった。「船の画家」と呼ばれ、船会社や船の名誉船長、海のパビリオンの名誉館長、海洋関係の財団の理事など、多彩な肩書きを持っていた。東京に出るときは、夕暮れの銀座を画廊をのぞいてから食事をしながら飲み、そしてなじみの店を一巡していたそうだ。

関係者の証言を眺めると、「鋭い観察眼。旺盛な仕事量。締め切り厳守。期待以上の作品」と仕事への評価は高い。船長姿でウイスキーをぐいぐいあおってバタンと倒れる姿が目撃されるなど、愉快でおおらかな人柄で慕われていた。人に気をつかいすぎる面もあり、「サービス魔」の異名もある。

広島県尾道市に「アンクル船長の館」(2009年閉館)があった。また横浜みなとみらい21地区にある横浜みなと博物館内に常設展示室「柳原良平アートミュージアム」が2018年に開設されている。

冒頭の言葉は『柳原良平の仕事』の中で2001年のインタビューのタイトルである。この最後に「あと30年はがんばらなくては」と語っている。この時柳原は70歳だから、100年人生を見すえていたことになる。実際には84歳で没するが、その心意気や、よし!


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