読書悠々

2004年以来、毎日書き続けているブログ「今日も生涯の一日なり」に、折々に読んだ本の内容と感想を記してきた。宮城大時代の2004年は1冊、2005年は2冊、2006年、2007年は0冊。多摩大に移った2008年は3冊、2009年は0冊。2010年から読書量が多くなっている。2010年10冊、2011年14冊、2012年15冊、2013年54冊、2014年86冊、2015年88冊、2016年85冊だ。とくに2013年から数年間は80冊台と気合が入っている。

この読書日記を題材に、故郷・中津の季刊の同人誌「耶馬台」に毎回テーマを変えて数冊ずつ「読書悠々」というタイトルで5年以上連載を続けている。

この度、この中から22のテーマに沿って、この読書悠々を1冊の書物にすることを思い立った。

2016年までは、折々に読んだ本の内容と感想、感慨などを記してきた。小説、伝記、自伝、紀行、未来技術、政治思想、時代認識、世界認識、外国研究など、大きくとらえると私なりに「現代」と向き合ってきた感がある。その中から22のテーマに沿って、124冊を取り上げた。それぞれの書籍のエキスが満載で現代日本を読み解く内容となているのだが、同時に私自身の思索の歴史であり、新しい分野なので、この本は私にとっても大事な知的生産となった。

22のテーマは、以下の通り。「故郷・中津編」「作家の素顔編」「太平洋戦争前後編」「日本歴代総理編ー上」「日本歴代総理編ー中」「日本歴代総理編ー下」「注目の女性作家編」「世界を見つめる書物編」「追悼・遺言・弔辞編」「高齢女性編」「モンゴル編」「台湾紀行編」「平成に亡くなった女性編」「戦後をつくった人たち編」「戦後70年を迎えた『沖縄』を読み解く編①」「戦後70年を迎えた『沖縄』を読み解く編②」「戦後70年を迎えた『沖縄』を読み解く編③」「戦後を考える編」「未来技術編」「外国の人たち編」「若い作家たち編」。

1.故郷・中津編.. 11

○吉村昭「冬の鷹」(新潮文庫). 11。○百田尚樹「海賊とよばれた男」(講談社). 12。○浅田次郎「日輪の遺産」(徳間文庫). 14。○佐藤卓巳「天下無敵のメディア人間」(新潮社). 16。

2.作家の素顔編.. 20

○瀬戸内寂聴「奇縁まんだら」(日本経済新聞社). 20。○瀬戸内寂聴「奇縁まんだら・続」(日本経済新聞社). 23。○西舘好子「表裏 井上ひさし協奏曲」―誰も知らない井上ひさし」(牧野出版) 25。○徳富蘇峰「弟 徳冨蘆花」(中央公論社). 27。○桐野夏生「ナニカアル」(新潮社). 29。○森繁久彌・文久世光彦「大遺言シリーズ」(新潮社). 31

3.太平洋戦争前後編.. 34

○袖井林二郎「マッカーサーの二千日」(中公文庫). 34。○田中正明「パール判事の日本無罪論」(小学館文庫). 36。○松本重治「上海時代―ジャーナリストの回想」(上)(中公文庫) 40。○岡崎嘉平太「中国問題への道」(春秋社). 41

4.日本歴代総理編―上.. 44

○北康利「吉田茂の見た夢 独立心なくして国家なし」(扶桑社) 44。○佐高信「孤高を恐れず―石橋湛山の志」(講談社文庫). 46。○岸信介・矢次一夫・伊藤隆「岸信介の回想」(文芸春秋社). 48。○伊藤昌哉「池田勇人 その生と死」(至誠堂). 50。○佐藤栄作「佐藤栄作日記」第四巻(朝日新聞社). 53

5.日本歴代総理編―中.. 56

○鳩山一郎「鳩山一郎回顧録」(kindle版). 56。○別冊宝島「田中角栄という生き方」(別冊宝島). 59。○服部龍二「日中国交正常化―田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦」(中公新書) 60。○服部龍二「大平正芳 理念と外交」(岩波現代全書). 62。○中曽根康弘「保守の遺言」(角川oneテーマ21). 64。。○岸、福田、田中、中曽根「私の履歴書―保守政権の担い手」(日経ビジネス人文庫) 67

6.日本歴代総理編―下.. 72

○竹下登「政治とは何か―竹下登回顧録」(講談社). 72。○細川護熙「内訟録―細川護熙総理大臣日記」(日本経済新聞出版社) 74。○村山富市・佐高信「『村山談話』とは何か」(角川oneテーマ21) 76。○飯島勲「小泉官邸秘録」(日本経済新聞社). 81

7.注目の女性作家編.. 84

○三浦しをん「舟を編む」(光文社). 84。○木内昇「ある男」(文芸春秋). 85。○木内昇「櫛挽道守」(集英社文庫). 86。○高野悦子「岩波ホールと<映画の仲間>」(岩波書店). 88。○内館牧子「終わった人」(講談社). 92。○小保方晴子「あの日」(講談社). 93。○桐野夏生「バラカ」(集英社). 94。○朝井まかて「眩(くらら)」(新潮文庫). 96。○上橋菜穂子「鹿の王」(上下巻)(KADOKAWA). 98

8.世界を見つめる書物編.. 100

○寺島実郎「中東 エネルギー 地政学」(東洋経済新報社). 100。○キッシンジャー「WORLD ORDER(国際秩序)」(日本経済新聞社) 104。○安田峰俊「野心 郭台銘伝」(プレジデント社). 106

9.追悼・遺言・弔辞編.. 110

○嵐山光三郎「追悼の達人」(新潮社). 110。○荒俣宏監修「知識人99人の死に方」(角川文庫). 112。○池内紀「亡き人ヘのレクイエム」(みすず書房). 113。○坪内稔典「一億人のための辞世の句」(展望社) 115。

10.高齢女性編.. 118

○佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」(小学館). 118。○宇野千代「生きて行く私」(角川文庫). 120。○高峰秀子 「おいしい人間」(潮出版社). 122。○志村ふくみ「一色一生」(講談社学芸文庫). 123

11.モンゴル編.. 126

○井上靖「蒼き狼」(新潮文庫). 126。○司馬遼太郎「韃靼疾風録」(上)(中公文庫). 127。○司馬遼太郎「韃靼疾風録」(下)(中公文庫). 128。○司馬遼太郎「モンゴル紀行」(朝日文庫). 129。○司馬遼太郎「草原の記」(新潮文庫). 130。○岡田英弘「世界史の誕生―モンゴルの発展と伝統」(ちくま文庫) 132。○杉山正明「モンゴル帝国と長いその後」(講談社学術文庫). 133

12.台湾紀行編.. 136

○司馬遼太郎「台湾紀行」(朝日文庫). 136。○伊藤潔「台湾―四百年の歴史と展望」(中公新書). 137。○江南「蒋経国伝」(同成社). 139。○加瀬英明「日本と台湾―なぜ両国は運命共同体なのか」(祥伝社新書) 140。○高木桂蔵「客家 中国の内なる異邦人」(講談社現代新書). 142。○佐藤愛子「スニヨンの一生」(文春文庫). 144。○上沼八郎 「人物叢書『伊沢修二』」(吉川弘文館). 146。○古川勝三「台湾を愛した日本人―土木技師・八田與一の生涯」(創風出版) 149

13.平成時代に亡くなった人たち編.. 152

○河原淳「雑学人生のすすめ―これで世界が面白くなる!」(新人物往来社) 152。○小西和人「楽しみを釣る」(エンターブレイン). 153。○坂田道太。佐瀬昌盛「むしろ素人の方がよい: 防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換」 (新潮社) 155。○大島渚。「文藝春秋別冊 「大島渚―〈日本〉を問いつづけた世界的巨匠」(河出書房新社) 157

14.平成に亡くなった女性編.. 160

○石牟礼道子「苦海浄土 わが水俣病」 (講談社文庫) 160。○夏樹静子「腰痛放浪記 椅子がこわい」(新潮文庫) 162。○湯川豊「須賀敦子を読む」 (集英社文庫) 163。○大橋鎮子「すてきなあなたに3」(暮しの手帖社). 165。○朝倉摂「朝倉摂 舞台空間のすべて」(Parco出版). 166。○淡路恵子「死ぬ前に言っとこ」(廣済堂出版). 168

15.戦後をつくった人たち編.. 170

○鬼塚喜八郎「念じ、祈り、貫く―求める心が成功を導く」 (なにわ塾叢書) 170。○浪越徳治郎「浪越徳治郎―おやゆび一代 (人間の記録)」(日本図書センター) 172。○田村魚菜「舌の味・人の味」(新樹社). 173。○村上信夫「帝国ホテル 厨房物語」(日経ビジネス人文庫). 175。○塚本幸一「塚本幸―わが青春譜 (人間の記録)」(日本図書センター) 176。○土屋文明「歌人 土屋文明―ひとすじの道』(土屋文明記念文学館編) 177。○花森安治「花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼」(世田谷美術館) 179

16.戦後70年を迎えた「沖縄」を読み解く編①.. 182

○佐藤優「佐藤優の沖縄評論」(光文社知恵の森文庫). 182。○鳥越皓之「沖縄ハワイ移民一世の記録」(中公新書). 184。○鳥越皓之「琉球国の滅亡とハワイ移民」(歴史文化ライブラリー) 185。○太田昌秀・佐藤優「徹底討論 沖縄の未来」(扶桑書房出版・沖縄大学地域研究所叢書) 187。○大久保潤・篠原章「沖縄の不都合な真実」(新潮新書). 190。○大江健三郎「沖縄ノート」(岩波新書). 192

17.戦後70年を迎えた「沖縄」を読み解く編②.. 196

○高良倉吉「琉球王国」(岩波新書). 196。○大城立裕「小説 琉球処分」(上下巻)(講談社新書). 198。○大田昌秀編著「写真記録 これが沖縄戦だ」(那覇出版社). 201。○渡辺豪「『アメとムチ』の構図―普天間移設の内幕」(沖縄タイムス社) 202

○新垣毅編著「沖縄の自己決定権――その歴史的根拠と近未来の構図」(琉球新報社) 204。○松島奏勝「琉球独立論―琉球民族のマニフェスト」(バジリコ) 206

18.戦後70年を迎えた「沖縄」を読み解く編③.. 208

○朝日新聞主催「いま、沖縄と本土を考える」シンポジウム 。2015年7月29日。 208。○琉球大学「日本の戦後史の根源的病理とたたかい続ける沖縄の戦後史」 211

19.戦後を考える編.. 216

○孫崎亨「戦後史の正体」(創元社). 216。○白井聡「永続敗戦論―戦後日本の核心」(太田出版). 220。○矢部宏治「日本はなぜ『基地』と『原発』を止められないのか」(集英社インターナショナル) 222

20.未来技術編.. 226

○レイ・カーツワイル「ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき」(NHK出版) 226。○ケヴィン・ケリー「〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則」(NHK出版) 227。○クラウス・シュワブ「第四次産業革命」(日本経済新聞出版社) 229。○坂村健「IoTとは何か―技術革新から社会革新へ」(角川新書) 232。○西垣通「ビッグデータと人工知能」(中公新書). 234。○井上智洋「人工知能と経済の未来」(文春新書). 236。○井上智洋「ヘリコプターマネー」(日本経済新聞出版社). 238。○稲見昌彦「スーパーヒューマン誕生!」(NHK出版新書). 239

21.外国の人たち編.. 240

○趙紫陽「趙紫陽 極秘回想録」(光文社). 240。○孫 基禎(ソン・ギジョン)・鎌田忠良「日章旗とマラソン―ベルリン・オリンピックの孫基禎」(講談社) 242。○呉清源「中の精神」(東京新聞出版局). 243。○アルビン・トフラー「第三の波」(中公文庫) 245。○テレサ・テン「テレサ・テン 十年目の真実 私の家は山の向こう」(文春文庫) 247。○邱永漢「野心家の時間割―人生の勝者となるために」(PHP文庫)・「食は広州に在り」(中公文庫)・「私は77歳で死にたい 逆算の人生計画」(光文社知恵の森文庫) 249

22.若い作家たち編.. 252

○朝井リョウ「何者」(新潮社). 252。○古市憲寿「だから日本はズレている」(新潮選書). 254。○古市憲寿「平成くん、さようなら」(文藝春秋). 256。○イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく」(星海社新書) 257。○イケダハヤト「新世代努力論」(朝日新聞出版). 258。○イケダハヤト「なぜ僕は「炎上」を恐れないのか―年間500万円稼ぐブロガーの仕事術」(光文社新書) 260。○イケダハヤト「旗を立てて生きる」(晶文社). 261。○若新雄純「創造的脱力」(光文社新書). 262。○落合陽一「魔法の世紀」(PLANETS). 263。○落合陽一「デジタルネイチャー」(PLANETS). 264



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