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4月28日。ルー・テーズ「バックドロップはへそで投げなさい」

ルー・テーズ(Lou Thesz、本名:Aloysius Martin Thesz、1916年4月24日 - 2002年4月28日)は、アメリカ合衆国のプロレスラー。ミシガン州バナット出身のハンガリー系アメリカ人。

16歳でデビュー。21歳、NWAチャンピオン。1948年から1955年まで936連勝(引き分けを含む)という大記録を打ち立てる。通算6度のNWAチャンピオンとなった。

ルー・テーズが発明したバック・ドロップは、ヨーロッパの柔道から触発された技であり、日本では岩石落としと呼ばれた大技だ。子どもの頃にテレビでルー・テーズの雄姿を観ていた私たちは、この決め技を「脳天逆落とし」と呼んでいた。

力道山とは2度のNWA世界ヘビー級選手権試合を戦っており、その死闘は今でも目に焼き付いている。日本でもファンが多かった。相手の得意なものを引き出すことも考えながら闘うのが信条だったから、3本のうち相手に一本を取らせるという器の大きなレスラーだった。日本人レスラーでは、力道山以外には馬場、猪木、木村、大木、蝶野などと闘っている。引き分けに終わった日本での力道山との試合は1957年だった。そして1990年には27歳の蝶野正洋に対し、ルー・テーズが74歳だったのは驚きである。年齢差は実に47歳である。

ルー・テーズは心技体を磨いた。そしてプロレスを技術によって芸術に昇華させようとしていた。そして若いころからの鍛錬という貯金を肉体の中に貯め、徹底した自己管理で70代になるまで現役を通した「鉄人」である。

チャンピオンベルトにはどのような価値があるか。ルー・テーズはチャンピオンがどんな内容の試合でしてベルトを守ったかによって、価値が決まると語っていた。最晩年にはレスリングとは何かと問われて以下にように答えている。「私はレスリングだけを続けてきた。エンジョイし、毎日何かを学ぶ。その繰り返しだった」。

このようなキャリアを眺め、レスリングに関する発言を聴くと、ルー・テーズは、史上最高のプロレスラーであると言われることに納得する。

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