6月17日。松下竜一 「だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬ」

松下竜一(まつした りゅういち、1937年(昭和12年)2月15日 - 2004年(平成16年)6月17日 )は、日本の小説家、歌人。

作家・松下竜一は、1937年に生まれ、2004年に亡くなった。私の出身高校の先輩にあたるが、成績は一番だった。しかし大学進学を母の急死であきらめ家業の豆腐屋を継いだ。その日々を文章と短歌で綴った「豆腐屋の四季」という本が話題になり、連続テレビドラマになった。このときの主役が同い歳の緒方拳だ。顔が似ているこの名優の演技で「豆腐屋の四季」と松下竜一は世に知られることになった。「我が愛を告げんには未だ推さなきか君は鈴鳴る小鋏つかう」は妻の洋子さんに贈った歌だ。

豆腐屋を廃業し33歳で作家となった。1973年から火力発電所建設への反対運動に取り組んだ。後に「ルイズ--父に貰いし名は」で講談社ノンフィクション賞を受賞した。中津の増田宋太郎を描いた「疾風の人」という小説を読んだことがある。2004年に亡くなったときには市をあげて偲ぶ会などが開催されて、遠方からも多くの作家などが駆けつけたと聞いている。40冊以上の本を書いて、生前に「松下竜一 その仕事」30巻が河出書房新社から出ている。松下さんのことはいろいりな人から聞いていたが、残念ながら会う機会はなかった。ラジカルに、つまり根本から、文明のあり方を問うたこの松下竜一の言葉は重い。

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