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12月17日。南博「日本人ほど自らの国民性を論じることを好む国民は他にない」

南 博(みなみ ひろし、1914年7月23日 - 2001年12月17日)は、日本の社会心理学者。

医師であった父親の希望により医師を志すが、激務に恐れをなし東京帝国大学医学部を中退。京都帝国大学文学部哲学科卒。1943年にアメリカのコーネル大学で博士号を取得。終戦後帰国し日本女子大学教授。一橋大学教授。成城大学教授。

アメリカ社会心理学を日本に導入し、国民性から大衆文化まで様々な社会現象の背景にある心理を解き明かし「日本人論」ブームをリードした人。また、伝統芸能や映画、テレビ番組においても幅広く活躍した。フラストレーションの訳語に欲求不満という言葉をあてた。この言葉は当時話題になり、今では普通名詞になっている。

父から「勉強しすぎて死んだ奴はいない」と教えを受けたといわれ、勉強も仕事にも熱心で、生涯無休だった。亡くなる直前まで口述筆記で著書を遺した。

大学のゼミ出身者は、高野悦子、加藤秀俊、辰野和男、山本コウタロウ、杉山隆男、石原慎太郎、太田弘子、など実に多彩だ。

南博の日本人について書かれた書物は何冊か読んでいる。1994年に80歳で集大成として書いた『日本人論』は、代表的著作500点を総覧した大著だ。千数百点にのぼる国民性に関する論著の中から,代表的だと考えるものを選び,明治期80強,大正期約30,昭和戦前期約100,占領期30強,現代(一)約70,現代(二)約130点について歴史的に位置づけ,簡潔な紹介が付されている。日本人の生活・文化・心理についてさまざまな角度から考察した。日本人の自意識の近代史である。この本は手に入れなくてはならないと、思うのはやはり私も日本人的かもしれない。

「日本人ほど自らの国民性を論じることを好むl国民は他にない」という名言は、頭に残っていたが、これは「日本人学」の構築をライフワークとした南博の言葉だったことに納得した。

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