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しんどいとき助けになる音楽(8)〜 アントニオ・ザンブージョ

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Antonio Zambujo / Voz E Violão

ポルトガルのアントニオ・ザンブージョ最新作『Voz E Violão』(2021)はタイトルどおり自分一人でのギター弾き語りで、マジでそれだけ、なにも足さず。究極のシンプルさなんですが、もともとファド歌手なのかどうなのかあっさり薄味のつぶやきヴォーカリストなので、声とギターだけっていうのがいい感じにはまっていますよね。

いまのぼくのひどい体調だと(第四腰椎を圧迫骨折し、それが変形して神経を圧迫し強い痛みが生じていると判明)こういうやわらかくやさしい音楽こそ癒しというか救いです。強いヴォーカルはいまちょっとしんどい状態なので。サウンド的にもみずから弾くアクースティック・ギター一台だけっていうシンプルさがですね、好ましく思えます。

特にフランク・ドミンゲスのフィーリンをとりあげた8「Tu Me Acostumbtaste」なんか、フィーリンなんてまずファドの対極にあるようなソフトな音楽なので、アントニオがどういう音楽家か?をよく物語っているといえるんじゃないでしょうか。ぼくはかなり好きですよ、こういう軽い音楽が。

ファド・ナンバーの9曲目は、ぼくにもどうもちょっとイマイチですけどね。でもこの歌手はファドのひとじゃないんだと思いますから。そのへんの評価軸をそろそろ変更しないと。

(written 2023.8.16)

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