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(わさみんきっかけで知った)福田こうへいの南部民謡がすばらしい

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歌手、福田こうへいを知ったのは2018年の11月、高知市内のホテルの一室でのことでした。それにしては書くのが遅くなってごめんなさい。そのとき、わさみんこと岩佐美咲ちゃんの歌唱イベントに参加するため(今治市と)高知市を訪れていたんですね。イオンモール高知内のでイベントでわさみんが、今夜放送の NHK-BS「新・BS日本のうた」に出演しますので観てくださいと告知してくれたんです。

それでわさみんイベントが終わってホテルに戻り、落ち着いてから夕食を食べるためイタリアン・レストランに向かいました。食事を終えてホテルに戻り、時間になったので部屋にあるテレビ受像機のスイッチを入れてみたというわけですよ。それでわさみんだけでなく、同じく出演している福田こうへいを知りました。福田は記憶ではたしか二曲歌ったと思います。

その晩のその番組にはわさみんや福田だけでなく何組も出演していたのに、いまだに憶えているのはわさみんと福田こうへいの二人だけなんですから、よほど福田の歌が印象に残ったんですね。福田はふだんは演歌歌手として活動しているみたいですが、その日、2018年の11月の高知市内のホテルで観たテレビ番組では個人的に民謡のほうが耳と脳に強く刻み込まれたのです。

福田こうへいは岩手県出身で現在も岩手に住んで活動しています。当地に根差した南部民謡こそ福田の得意レパートリーで、あの日高知で観たテレビ番組でも、民謡のほうで歌ったのはたぶん「南部牛追唄」だったんじゃないでしょうか。なにはともあれお聴きください。これを、福田の歌う「南部牛追唄」を聴けば、その絶品な喉に惚れてしまうこと必定です。福田こうへいなんて名前もぜんぜん知らなかったぼくが、高知市内のホテルで観て、いまだにその姿、声が脳裏に強く焼きついていて、忘れられないんですから。

・福田こうへい「南部牛追唄」

どうです、いやあすごい喉ですよねえ。張りがあってよく透き通ったこの美しい声、中低音部での伸び、特に高音部でのキラメキとあざやかさには舌を巻きます。こういう声は持って生まれた才能ですよね、きっと。福田こうへいは演歌歌手デビューもしているけれど、どうやら南部民謡こそ本来の活動領域みたいで、こういった「南部牛追唄」みたいなものを歌ってこそ真価発揮ということになるんじゃないですかね。そういう声質だと思えます。

南部民謡こそ福田こうへい本来のレパートリーということで、彼が南部にかぎらず東北地方の民謡をひろく歌った CD アルバムをぼくは買いました。Spotify では聴けないもんですから。それが『みちのく民謡ベスト』(キング、2013)。たぶん編集盤でしょう。いままでに福田が歌った民謡のうち、みちのくとの限定でそんな曲ばかり選んで収録しているもののようです。

そんな福田こうへいのアルバム『みちのく民謡ベスト』でも1曲目がやはり「南部牛追歌」で、そのほか岩手県民謡が最も多く収録されています。青森の「津軽じょんから節」「津軽よされ節」や、秋田の「秋田草刈唄」「秋田おはら節」、あるいは宮城の「宮城長持唄」などもありますね。いわゆる南部地方は現在の県境を越え東北地域一体にひろがるものなので、こういった収録になっているんでしょう。

福田こうへいは父親が民謡歌手の福田岩月で、自身は23歳から民謡を習いはじめたそう。そう読むと遅いような気もしますが、それでも2012年6月に第25回日本民謡フェスティバルでグランプリを受賞するなど数々のコンクールで優勝、呉服店で営業をしていたけれども脱サラし、その後出身地を活かした演歌曲「南部蝉しぐれ」でシングル・デビューを果たしたという経歴の持ち主です。

演歌歌手として活動し、紅白歌合戦にも出演するなど活躍をみせている福田こうへいですが(それにしては2018年11月まで福田を知らなかったぼく)、そのいっぽうで歌手活動の原点ともいうべき民謡活動も一貫して続けていて、CD も出し、テレビの歌番組などに出演しては「南部牛追唄」などで絶品の喉を味わわせてくれているというわけです。

(written 2020.3.25)

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