見出し画像

あのころのザ・バンドのように 〜 ジェイミー・ワイアット

(3 min read)

Jaime Wyatt / Feel Good

萩原健太さんのブログで知りました。

これもルーツ・リスペクト系な若手音楽家の一人、ジェイミー・ワイアット(ロス・アンジェルス出身)。そもそもカントリー歌手なんだそうですが、三作目『Feel Good』(2023)はいい感じのソウル・テイストで、つまりカントリー・ソウルな音楽になっているのがグッド。

グレイトフル・デッドのカヴァーが一曲あるほかはすべてジェイミーの自作で、しかも仲間といっしょにスタジオでセッションを重ねながら練り上げていったものらしく。メンフィスで録音したようですよ。

プロデューサーをブラック・プーマズのエイドリアン・ケサダがつとめていて、だからこんな感じのカントリー・ソウルに仕上がっているんですね。ケサダはうまあじのギターを随所で聴かせています。それもポイント高し。

カントリーのみならず、ブルーズ、ソウル、ゴスペルといったUSアメリカン・ルーツ・ミュージックが渾然一体となっているサウンドで、ついつい惹き込まれます。要するに1970年前後ごろのロック系ミュージックそのまんま。なかにはザ・バンドそっくりに聴こえる曲もあります。

ザ・バンドみたいなあのころのああしたロックなどへのリスペクトを隠さずストレートに表出している若手が増えているというのは昨日も書きましたが、この現象がいったいどういうことなのか、背景になにがあるのかといったことはぼくはまだまとめられません。

ただ、あのころからずっと現役で2020年代も活躍しているベテランも多いし、そうしたひとたちがソーシャル・メディア・アカウントを持って発信していたり、さらにはサブスクの普及で古い音楽にアクセスしやすくなったという事実は、間違いない理由としてあるでしょう。

そう、サブスク世代にとっては新しい音楽も古い音楽も時代感覚なくフラットで等距離で身近なんですよね。だからこそのレトロ・ブームにしろルーツ・リスペクト系の台頭なんじゃないかと思います。

(written 2023.12.24)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?