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同じ CD を何枚も買うというマニア行為というかオタク行為というか

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上の写真、どうして部屋に三枚もあるんでしょう、このシェバ・ジャミラ(アルジェリア)のライヴ盤。これがまだジャズやロック系の名盤リマスターだとか紙ジャケだとかの再発もので、同じアルバムでも異なる種類をというならば理解しやすいでしょうけど、このシェバ・ジャミラのアルバムのばあいはなにからなにまでまったく同じですからね。それなのになぜか三枚。これでもまだ減ったんですよ、聴いてみたいというお二人に一枚づつ差し上げましたから、多いときで五枚あったわけです。われながらアホだとしか言いようがないですね。

Spotify で聴けるものはそっちで聴くように最近なっていますから、こうした CD の買いかたはなくなったんですけれども、買っていた時期にはこんな(一見)バカバカしいことも平気でやっていました。たぶん音楽 CD 好きのみなさんであれば似たような、同じような、状態が発生しているんじゃないでしょうか。ダブり買いは、ただたんに持っていることを忘れているとか見つからないとかだけで生まれるものとはかぎりません。わかっていても「好きだから」「ほしいから」という理由で買っちゃいますよねえ。

たとえば AKB 系の(元)アイドルたちだと、CD 買った枚数分だけ握手券がもらえますし、また売り上げ数を伸ばしてあげたい、それが応援だ推し行為だという考えもあって、だから同じものをどんどん買うというのがわりとふつうのことになっていると思います。握手券目当てで彼女たちの CD をたくさん買って、握手券だけ取って CD は捨てる、なんていうのが熱心な音楽 CD 好きから批判されたりもしますよね。

おまえら AKB 系の(元)アイドル好きが CD 買うのは握手券目当てでしかないだろう、CD じゃなく握手券が大切なんだろう、音楽が好きなわけじゃないだろうとか、あるいはそもそもレコード会社や事務所など運営側のそんな CD 販売方法にも批判が集まったりしますよね。握手券を付属させて CD を売れば数が出て、それでオリコンなりのチャートに反映されるからって、そんなアホをやるのか、とかですね。

ぼくに言わせれば、ジャズやロックや、あるいはシェバ・ジャミラはライだけど、そういった種類の音楽の CD を同じものでたくさん買ってしまう、持っているという人間は、大量買いする AKB 系のオタクとなんら変わりはないです。考えようによっては、握手券もなにもいっさいもらえない、特典なんかぜんぜんないのに、それらの CD を複数枚買ってしまうファンのほうが理解できないですよね。そっちのほうがいっそうのアホでしょう。

でも好きなんですから、それでいいと思うんです。ぼくはむかしから好きになればレコードだって二枚、三枚と買っていたし、いまでも聴く用と保存用とかいって CD でも同じものを最初から二枚買うという音楽好きのかたに遭遇したりしますよ(CD もそんな劣化すんのかなあ?)。そんなことこんなこと、すべて理解できることです。好きなものは何枚も持っていたい、それにまみれたい、ずっと聴いていたい、ありとあらゆる状況でその音楽に接していたい、失いたくない、などなど音楽好きであればみなさん同様のはず。

AKB 系のオタク向け CD 販売方法はたしかに批判される面がなきにしもあらずかもしれません。しかしですよ、オタクというかマニア、音楽ファン、好き者 〜〜 どう呼んでもいいですが、そういった人間の行動には類似したものがあるのも事実です。本好きもそうかな、たぶん。本質的にはみんな同じなんです。ジャズやロックの名盤で同じものをたくさん持っているファンも AKB 系(元)アイドルの CD を何枚も買う人間も、同じです。

ぼくのばあいでいえば、ここ一年半くらいですか、わさみんこと岩佐美咲ちゃん(は AKB48出身)のイベントにどんどん出かけていくようになり、現場でどんどん CD を買うと自分の身にどんないいことが起きるのか、皮膚感覚で理解納得できるようになり、それで同じものをたくさん買うようになりました。がしかしそうなる前から、シェバ・ジャミラにしろマイルズ・デイヴィスにしろオールマン・ブラザーズ・バンドのフィルモア・ライヴにしろ、その他たくさん、種類は違えど同じアルバムをなんども買い増したりしていたわけですから。やっていることは大学生のころから変わっていないですね。言いかたをかえれば進歩がありません。

(written 2020.1.27)

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